優香が工藤阿須加とナレーションで初共演。「高校球児を、母のような気持ちで見守りたいと思った」

BS朝日では12月29日に、BS朝日開局20周年記念特別番組「僕らはあきらめない~2020 コロナ禍の高校球児たち~」(午後7:00)を放送。番組のナレーションを、優香と工藤阿須加が務めることになり、このほど都内で収録が行われた。

同番組では、新型コロナウイルスの影響で春のセンバツ、夏の甲子園が中止になった高校球児たちの苦悩、それでも夢を諦めず、独自大会、トライアウトなどに挑戦する姿を追う。優香は、女手一つで育ててくれた母への恩返しを誓う県立山形中央高校の太田大和選手、ネット動画で甲子園に憧れ、岡山共生高校に留学した台湾のリュウ・チュンティン選手、コロナと豪雨被害を乗り越えようとする熊本県人吉市の県立球磨(くま)工業高校のパートを担当。一方、工藤は、祖父・父・兄が甲子園に出場し、京都の名門、龍谷大平安高校の奥村真大選手(兄はヤクルトの奥村展征)などを担当した。

2人とも毎夏、甲子園大会は注目しているという。優香は「全然詳しくないんですけど、甲子園は見るんです。これがないと夏が来た気がしないですし、本当に純粋な目をした球児たちが、暑い中、真っ黒になりながら、一生懸命走って、力強い声を出している姿を見て、泣いているんです。今年はその姿は見れないですけど、違う形で感動をもらったな、という気がしました」と話し、高校時代はテニス部だった工藤も「夏(の大会)を経験した人間が、経験できなかった子たちの思いをどれだけくみ取れるのか、と思った」と思いをめぐらせた。

収録を終え、優香は「気持ちを込めてやりたい、お母さんのような気持ちで見守りたいと思っていました。コロナは高校生のひと夏しかないものまで奪ってしまう。本当に悲しいです。本当に早く収束してほしいと望むばかりです。悲しいだけではなく、前を向く力を高校生からもらい、とても感動しました。大人がしっかりしなきゃなと思いました」と振り返り、工藤も「このお話をいただいた時に、相当覚悟を持って挑まなければいけないなと思いました。コロナ禍で、甲子園が中止になった球児たちの苦しみをどれだけくみ取れるだろうかと思いました。でも、彼らの映像、言葉を一つ一つ聞いて、目で見て、彼らの表情から伝わるものがあり、おのずと僕の心が動いて、それが声に乗った部分も大きかったと思います。むしろ、彼らに背中を押してもらった気がして、僕自身は有意義な時間を過ごさせていただきました」とコメント。

また、優香は最後には泣いてしまったそうで「球児たちは純粋じゃないですか。いろんな思い、その家族の話があるんだろうなと想像してしまいました。(山形中央高校の)お母さんは(息子に)公務員になってほしいと思いながら、夢を応援したいっていう気持ちもあって、自分の親もそうだったのかなと、本当にいろんな感情が湧き起こりました」と胸に迫るものがあったことを明かした。それを受け、工藤も「僕も、途中、ちょっとやばかったですね。前日に家で練習した時、文章だけでもぐっと来るものがあったので、録音はどうなってしまうかなと思ったんですが、『いや、今、俺が感動している場合じゃない』という気持ちを強く持ったので、なんとか持ちこたえましたね」と熱きものがこみ上げてきたと告白。

今年1月に第1子を出産し、自身も母となった優香。「まだまだ(小さい)ですけどもね(笑)。でも、あっという間に大きくなるんだろうな。自分ではあまり変化は感じないですけど、すごく涙もろくなりました。悲しいニュースが見られないんです。私も子どもが何かをやりたいと言った時は応援してあげたいなと思います。これからも、誰も想像もできないことが起こると思いますが、そういう時にはどうやって支えてあげたらいいんだろうとか、思います。番組に登場された、お母さんみたいに強くいたい、笑顔でいたいと思いました」と感慨深げに語った。

そして、番組の見どころについて、優香は「全部です! 本当に暗い気持ちになった1年ですけど、こんな子たちがいたんだというのを見てほしいです。来年はいい年でありますようにと思って、見てほしいなと思います」、工藤も「全部ですね。最後まで見ていただきたい。僕自身は、仕事はもちろん、家族や友人との係わりをあらためて考える時間が多かったです。来年はキャンプや釣りなど自分の趣味をもう少し突き詰めたいと思っています。今回コロナのこともあって、自然と向き合う時間が大切だと気付かされました。いつか、それがまた仕事につながればと思っています」と述べ、視聴者にメッセージを寄せた。

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