M-1グランプリ2020 4位 一番笑ったぞ!錦鯉

2020年のM-1グランプリが終わった。20年前、一緒に仕事をしていた長谷川雅紀のお笑いコンビ「錦鯉」は4位という結果に終わった。5081組の中の4位、凄い結果を残した。それにしてもパチンコネタを決勝の舞台にもってくるとは驚いた。ピン芸人のときからやっていた「のりのりまさのり」「キャラメルは銀歯泥棒!」のギャグがあの舞台から全国に放送されたときは、思わず応援に力が入った。すべてが終わったあとの午後10時半、私は以下のメッセージをスマホから雅紀に送った。

「お疲れさまでした!!一番笑ったのが錦鯉だったよ。マジで。のりのりまさのりがきた時は笑いすぎて泣いたわ笑笑。今日はゆっくり休んでください。HTBの番組出演のオファーするからな。よろしく。」

その10分後、雅紀から返信があった。

「お疲れ様です!ありがとうございます!帰省なう、ありがとうございます!番組も、よろしくお願いします!今後とも、よろしくお願いします!」

相変わらず、文章のあとにビックリマークを必ず付けてきやがる笑。大舞台での疲れの中、高揚感も冷めやらないだろうに、すぐにメッセージを返してくるところに彼の律義さが垣間見える。しかし、このメッセージを読み返し、ふと考えた。12月19日、M-1グランプリ決勝戦の前日に、雅紀が出演した番組「帰省なう」を弊社オンデマンドにアップしたが、その感謝の気持ちを大舞台の終えたあとに伝えてくるとは何だろう・・・。

札幌から上京して10年が経った2011年、ピン芸人としてもがいていたあの日、10年ぶりに母親のもとに会いに帰省した姿を番組は取材した。久しぶりの再会に不機嫌だった母。目の前でネタを見せるも「笑いながらネタをやるな」とダメ出しをした母。二日間の帰省が終わり、別れる寸前に大好物のポテトサラダと手作りのおにぎり2個を渡し、夢を追いかける息子の背中を押してくれた母。一口頬張るごとにとめどなく流れる涙。母の愛情に絶対に応えなくてはいけないと雅紀は誓っていた。

私の想像に過ぎないが、M-1グランプリの決勝ステージに立つ直前、きっと故郷の母の姿を思い出したことだろう。そして「帰省なう」をオンデマンドで見た方々の期待に応えねばと思ったことだろう。4位という結果の馬力になったのであれば、番組制作者としてこのうえなく嬉しい。

来年のM-1グランプリを照準に研鑽する日々が今日からまた始まる。コンビ結成から15年以内であれば出場できるとのことなので、現在49歳の雅紀は、来年はもちろん、56歳まで出場可能なようだ。56歳と言えば、学校の校長先生や警察署長になってもいい年齢だ笑。
稀有な疫病により先行き不安な時代になった。そんな中、2020年は間もなく終わる。昨夜、大舞台でみせてくれた年齢を気にせず何事にも負けず突き進もうという姿は、多くの人にたくさんの勇気を与えたはずだ。2021年、どんな年になるのか、楽しみが増えた気がする。

[(https://hod.htb.co.jp/pg/pg_kn)

「帰省なう」長谷川雅紀

HTB北海道onデマンドで12/19(土)~配信

戸島龍太郎 とじまりゅうたろう

1967年宮崎県宮崎市生まれ。1990年に北海道テレビに入社。報道記者を経て、1991年7月「気分は天気730」ディレクターに。その後1993年5月から4年4か月「マイステーション」のニュースキャスター。1997年9月から1年間、奥様向けバラエティ番組「今日もすっぴん」のスタジオMCを経験し、1999年から情報番組「夕方Don!Don!」の中継リポーターやスタジオMCを担当。

2003年からは報道部に籍を移し、中継や特集担当の記者として飛び回る。その一方でテレビ朝日系列全国ネット番組「心の中の国境」(投手スタルヒンの生涯を追った番組。出演:徳光和夫)、「青いツバメ」(小樽出身の国際政治学者秋野豊のドキュメンタリー。出演:泉谷しげる、優香)、「旭山動物園日記」(出演:関根勤・麻里、キャイ~ン・ウド鈴木、中山秀征、優香、次長課長)、テレメンタリーなどを制作。2008年にはHTB開局40周年記念番組「カムイの夜明け」(出演:宇梶剛士)を制作。木彫り熊のルーツはスイスにあることを紐解いた。2009年4月から1年間「イチオシ!」のニュースの編集長、2010年4月からはプロデュース部のプロデューサーになり、HTB深夜開拓魂(毎週木曜日深夜0時50分から)シリーズを担当。「平成ノブシコブシのヨルオシ!」「我思う、故に我ラーメン」「美女動画」「もしものが~まる」「帰省なう」「探検!秘境駅」「壇蜜古画」等を制作。

2012年2月25日に放送した「時を超えたエール」では、さっぽろ雪まつりの大通会場に出来た福島県会津若松市のシンボル「鶴ヶ城」をきっかけに、北海道と東日本大震災の被災地福島の200年にも渡る長く深い絆を描いた。2013年7月、夕方の情報番組「イチオシ!」のチーフディレクターに。プロデューサーになってからは特別番組「さよなら江差線」「カイミの104㎞ふれあいウォーク」「六角精児とカイミの鉄道で行こう!」を制作。2018年6月からは「イチモニ!」のプロデューサーに。特別番組「イチモニ!イチオシ!新春初合体スペシャル」を制作したほか、「イチモニ!スペシャル 挑め!超過酷な絆のレース」(2019年7月13日午後3時55分から)「イチモニ!スペシャル なまら!ボイメンLover♡」(2019年7月20日午後2時55分から)のプロデューサーでもある。9月20日(月・祝)午後4時から放送した「鉄道で行こう!留萌線の旅」(出演:宇梶剛士、土屋まり)は同時間帯トップの高視聴率だった。11月9日(土)午前10時48分からの「イチモニ!スペシャル響け!笑顔で奏でるハイタッチ」もプロデューサーを担当。2020年1月4日(土)午前9時半からの「イチモニ!新春スペシャル なまら!ボイメンLover♡2」のプロデューサー。3月9日(月)午後7時から放送した「宇梶剛士と土屋まりの鉄道で行こう~ぐるり噴火湾 絶景&絶品探しの旅」の演出・プロデューサー。現在は「おにぎりあたためますか」ゼネラルプロデューサー、
毎週土曜日午前9時半から放送の「イチモニ!」のプロデューサーでもある。HTB公式YouTubeチャンネル「昼下がりの女子アナ」では企画・演出・撮影も担当している。
2021年1月2日午後5時30分から放送の「イチモニ!スペシャル里里コンビが行く!砂川グルメ食べまくりツアー」のプロデューサー。

Twitterは HTB戸島P @tojima_p

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