ウォークインクローゼットをリフォームで増築。実例を交えてその全貌を解説

洋服やスーツケース、子ども用品や家電製品もたっぷり収納できるウォークインクローゼット。

しかし、ウォークインクローゼットといっても、タイプやリフォーム費用はさまざま。あらかじめポイントを確認しておくことで、リフォーム会社への相談もスムーズに進みます。

記事では、実例を交えてウォークインクローゼットのリフォームについて解説します。

ウォークインクローゼットとは?

ウォークインクローゼットは、形や収納方法によってさまざまなタイプがあります。「何を収納したいか」「どこに作りたいか」というイメージによって、選ぶべきタイプが変わってくるので、目的に合ったタイプを選ぶことが大切です。

クローゼット内に人が立ち入り、ものの出し入れができる収納スペース

ウォークインクローゼット(もしくはウォーキンクロゼット・WIC)とは、クローゼット内に人が歩いて入り、ものの出し入れができる収納スペースのことです。

たっぷり収納ができて、ものの管理もしやすいため、一戸建て住宅はもちろん、面積が小さいマンションでも人気のある設備です。クローゼット内に人が歩いて入れない収納スペースは、「クローゼット」や「リーチイン・クローゼット」と呼ばれます。

タイプは主に5種類

ウォークインクローゼットの種類はさまざまです。ここでは、メジャーである5種類を紹介します。

収納棚全面タイプ:壁面全てが棚

ウォークインクローゼット内の壁面全てが収納棚になっているタイプです。収納棚があってもクローゼット内を歩いて移動できるスペースを確保するためには、ある程度の広さが必要になります。

収納ボックスやファイルボックスを使用して収納すると、管理や掃除がスムーズです。家電製品や生活用品のストック、かさばりがちな写真のアルバムや取扱説明書などの収納にも適しています。

ユニット棚タイプ:壁に収納棚を造作

ホームセンターやインテリアショップで購入できるユニットキャビネットを使って壁に収納棚を造作するタイプです。

比較的低価格でリフォームでき、家族構成やライフスタイルの変化に合わせて、レイアウトを変更することができるのがメリットです。

ハンガーラックタイプ:衣類収納がメインのおすすめ

ハンガーラックを設置して、洋服を吊り下げて収納するタイプです。

洋服を干してそのまま収納できるので、家事を時短することもできます。1年分の洋服をすべて吊り下げられれば、衣替えをする必要もありません。

Ⅱ字型タイプ:使い勝手抜群

「Ⅱ」の形のように、空間の両側に収納できるタイプです。

壁面クローゼットの2倍近い収納量になるので、使い勝手は格段に上がります。夫婦の収納スペースを左右で分けたり、鏡を取り付けて衣装部屋のように使ったりするのもおすすめです。

コの字型タイプ:荷物の多い人にぴったり

スペースに余裕があり、荷物の多い人にピッタリなのがコの字型タイプです。

ハンガーラックとキャビネットを上手に組み合わせれば、デッドスペースが少なく、たくさんの洋服や荷物を入れられます。真ん中のスペースで着替えられるのもメリットです。

「ウォークインクローゼット」と「ウォークスルークローゼット」の違い

人が中を歩くことができるクローゼットには、主にウォークインクローゼットとウォークスルークローゼットの2種類があります。

大きな違いは、ウォークインクローゼットは収納を目的とした小部屋であるのに対し、ウォークスルークローゼットは反対側へ通り抜けができること。

そのため、出入り口の数はウォークインクローゼットは1つ、ウォークスルークローゼットは2つになります。ウォークスルークローゼットは、廊下から入って寝室から出るというような動線をつくることもできるので、ファミリークローゼットにも適しています。

ウォークスルークローゼットのある間取りで生活を快適に。マンションの図面も紹介

リフォーム費用は10万~80万円が相場

業者にウォークインクローゼットの拡張を依頼する場合、10万~80万円が費用の相場です。リフォームの規模によって金額は変わってきます。リフォーム会社に相談するときの参考にしましょう。

LogRenoveでは、リフォーム・リノベーションの資金に関する講座を無料で開催しています。実際にどのくらい費用がかかるのか、興味がある方は気軽にご参加ください。

資金に関する基礎講座に参加する

納戸・押し入れをリフォーム|10万円前後~

既存の納戸や押し入れをウォークインクローゼットにリフォームをする場合、10万円前後が費用の相場です。備え付け棚を作り込んだり、扉や壁紙を新しくしたりすると費用が高くなります。

簡易的な棚やハンガーパイプを設置する|15万円前後~

簡易的な棚やハンガーパイプを設置するだけなら、リフォーム費用は15万円前後が相場です。あらかじめセットになっている収納棚キットを使うことで、費用を抑えられます。

リノベーションで和室を大型クローゼットにする|80万円前後必要

6畳ほどの和室を大型ウォークインクローゼットにリノベーションする場合、リフォーム費用は80万円前後必要です。棚板を設置するには壁の補強が必要なケースもあります。フローリングに張り替え、大型の収納スペースにすれば、ファミリークローゼットにもぴったりです。

クローゼットにしない部分を洋室にすることも可能

和室にクローゼットが欲しい場合は、クローゼットにしない部分を洋室にすることも可能です。奥行きを活用しにくい押し入れをウォークインクローゼットにし、畳をフローリングにすれば、収納力が高い洋室に生まれ変わります。

【実例】ウォークインクローゼットを設置すると便利な場所

さまざまな種類があるウォークインクローゼット。なかでも、ウォークインクローゼットを設置すると便利な場所があります。実例をもとに紹介します。

子ども部屋に作れば片付けの習慣も身につく

子どもが小学生に上がると、ランドセルや学校用品を収納するスペースが必要になります。子ども部屋にウォークインクローゼットがあれば、自然と片付けや準備の習慣が身につきます。

子どもが小さいうちは、高い位置のハンガーパイプには吊り下げられないので、届く位置にチェーンを使って延長する方法も。上棚には思い出の作品やシーズンオフの洋服を収納するのもおすすめです。

寝室に新設すれば着替えが楽に

寝室にウォークインクローゼットを新設すれば、朝の身支度の動線が効率的です。

起きてすぐに着替えられるので、部屋を行ったり来たりする必要がありません。パジャマが散らからないのも嬉しいポイントです。夫婦分の洋服を1箇所にまとめておけば、片付けやものの管理もスムーズになります。

廊下に面した場所に作れば更衣室代わりに

ichico2さんのインスタグラムより

デッドスペースになりがちな廊下を収納スペースにすれば、空間を効率的に使えます。全身鏡を設置すれば、更衣室のような空間に。

フックや有孔ボードなどで、見せる収納を楽しむのもおすすめです。廊下の両側にハンガーパイプや収納棚を設置すれば、予算を抑えながらウォークスルークローゼットを実現可能です。

女性に嬉しい設置場所は洗面所

女性にとっては、洗面所の近くにウォークインクローゼットがあったら便利です。まず、帰宅して手を洗ったあと、すぐ近くにクローゼットがあれば、コートやバッグをあちこちに置きに行く必要がありません。

また、朝の時間は洗顔や着替え、メイクなど度にバタバタしがちですが、洗面台近くにウォークインクローゼットがあれば更衣室として使用でき、1箇所で身支度を完結できて便利です。

ウォークインクローゼットを増設するメリット

洋服やバッグ、家電などをたっぷり収納でき、便利なウォークインクローゼット。収納以外にも、ウォークインクローゼットを増設するメリットがあるので紹介します。

物の管理がしやすくなる

冠婚葬祭に使う小物や季節の飾り物、子どもの学校用品や思い出のアルバムなど、どこにしまったか分からなくて困ることも。ウォークインクローゼットは、クローゼット内に入って全体を見渡すことができるので、物の管理がしやすくなります。

収納が苦手な人は、「入って右側は夫」「左側は自分」「上棚はシーズンオフの衣類」などとざっくりゾーニングしておくと便利です。衣類をすべて吊り下げられるウォークインクローゼットなら、衣替えやアイロン掛けの手間も減ります。

広ければ内部で着替えも可能

スペースが広ければ、更衣室のように活用することも可能です。バッグやコート、マフラーなどの小物も1箇所にまとめておくことで、あちこちに取りに行かなくてもトータルコーディネートを完成させることができます。

全身鏡を設置すれば、海外ドラマに出てくるクローゼットのようにおしゃれな印象になります。

ウォークインクローゼットを増設するデメリット

便利なウォークインクローゼットですが、増設することによるデメリットもあります。

結露が原因のカビや虫に悩む可能性も

ウォークインクローゼットは間取りの都合で、部屋の隅に作られることが多く、風通しが悪く湿気がたまりやすいのがデメリットです。さらに個室のように扉をつけるため、クローゼット内に湿気がこもってしまい、結露やカビ、虫に悩む可能性があります。

一度着た衣服は干してからクローゼットに戻したり、定期的にサーキュレーターなどで空気の通り道をつくったりする手間があることを覚えておきましょう。

収納量が減少する

ウォークインクローゼットは、中を人が歩けるスペースを確保する必要があるので、その分収納量が減少してしまいます。また、扉を開けるスペースがデッドスペースになってしまうことも。ウォークインクローゼットを増設するときには、スペースに無駄が発生しないように工夫が必要です。

【オーダー前に必読】注意点と快適に利用できる面積の目安

リフォームをスムーズに進めるためには、業者に相談をする前に、どのようなウォークインクローゼットを増設したいのかイメージをつくっておくことが大切です。

ここからは、注意点や快適に利用できる面積の目安など、事前に確認しておきたいポイントを紹介します。

リフォーム・リノベーションの基礎から学びたいかた必見!人気No.1のリフォーム・リノベーション基礎講座に無料でご参加いただけます。

リノベーション基礎講座に参加する

業者の手が入る前に寸法と間取りを検討しておく

「収納したいものが入りきらない」「ウォークインクローゼットを増設したら想像以上に部屋が狭くなってしまった」ということにならないよう、あらかじめ寸法と間取りを検討しておくことが大切です。

メジャーを使ってざっくりとイメージしておけば、リフォーム業者との相談もスムーズに進みます。

通路部分を60cm以上確保

ウォークインクローゼットに最低限必要な奥行きは、「収納スペースの幅」と「人が歩くための幅」を足し合わせた数値です。一般的には、人が歩くのに必要な幅は60cmほどといわれています。

ただし、奥行きは広ければ使いやすいわけではありません。奥行きが広すぎると、通路部分ばかり広くなり、無駄な空間が発生してしまいます。

反対に、奥行きが狭すぎると、通るときに物が落ちたり、全体が見渡せなかったりすることも。通路部分は、大人が無理なく歩ける程度の幅が理想です。

ハンガーパイプを設置するならその奥行きも考慮

洋服をハンガーパイプに吊り下げるには、肩幅を考慮すると、60cmほどの幅が必要です。そのため、人が歩く幅を足し合わせた120cmほどの奥行きがあれば、ウォークインクローゼット内にハンガーパイプを設置できます。

また、180cmの奥行きがあれば、「Ⅱ字型クローゼット」も実現でき、使い勝手も格段に上がってきます。

引き出しタイプの収納ボックスを使用するなら、奥行きは40~60cmが目安です。さらに引き出しを開けるスペースとして40cm程度確保しておく必要があります。

つまり、収納ボックスを使うなら、最低でも140cm程度の奥行きが必要ということです。業者に相談する前に、部屋の寸法をメジャーで測って、どれくらいのスペースを確保できるか確認しておくことがポイントです。

家族の人数・収納する物の量で広さを決める

家族の人数やライフスタイルによって、ウォークインクローゼットの適切な広さは変わってきます。自分に必要な広さを確認しておきましょう。

1K・1DKなどのマンションでも導入は可能

ウォークインクローゼットというと、一戸建て住宅や広いマンションに限られた設備だと思われがちですが、1Kや1DKなどのコンパクトサイズのマンションでも導入は可能です。

よくある間取りは、居住スペースの一角にL字型のウォークインクローゼットをつくるもの。収納が少ないコンパクトサイズのお部屋でも、1箇所に持ち物をまとめられるため、すっきりと暮らせます。

ただし、部屋の角は湿気やホコリが溜まりやすいので、こまめな掃除や換気が必要です。

夫婦2人なら2畳程度が理想

夫婦2人なら、2畳ほどのスペースが理想です。両側にハンガーパイプをつけて、右側は夫、左側は妻というように分けて収納すれば、持ち物の管理がしやすいのでおすすめです。

通路部分を80cmほど確保できれば、クローゼット内で着替えたり、2人で準備をすることも可能です。朝の身支度の時間がかぶりやすい夫婦にもおすすめのです。

夫婦2人・子ども2人家族なら3畳~3.5畳が一般的にちょうどいい

子どもの持ち物は大人の半分と計算すると、家族4人なら3畳~3.5畳が理想的です。届きやすい位置に収納棚やハンガーパイプを用意すれば、子どもが自分で片付ける力も育ちます。

子ども成長に合わせて形を変えられるように、稼働棚にしたり収納ボックスを使ったりするのもおすすめです。

ウォークインクローゼットは広ければよいというものではありません。4畳以上になると広すぎて、ものの管理も難しくなりがち。収納が足りない場合は、子ども部屋や寝室に壁面クローゼットを新設するほうが、使い勝手はよくなります。

扉を引き戸にすると物が効率よくしまえて便利

扉にはさまざまなタイプがあります。玄関ドアのような「開き戸」、扉の中央が折れる「折れ戸」などがありますが、最も効率的に物をしまえるのは「引き戸」です。

引き戸であれば、扉を開けるためのスペースがいらないので、省スペースで設置できます。

また、少しの力で開閉できるので、子どもやお年寄りも使いやすいというのもメリットです。デッドスペースを極力つくりたくない場合は、引き戸を選ぶことをおすすめします。

リフォーム・リノベーションの勉強を始めよう

LogRenoveでは、リノベーション勉強会を開催しています。

「リフォームとリノベーションの違いってなに?」
「リノベーションには興味はあるけど、何から手をつければいいのかわからない」
「間取りを変えたいけど悩んでいる」
などリノベーションのお悩みや疑問を解決しませんか?

個別勉強会に参加する

© 株式会社プロポライフグループ