ドイツとフィンランド、IS参加疑いの女性と子どもを帰国させる 「人道的理由」で

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ドイツとフィンランドは20日、武装勢力「イスラム国」(IS)戦闘員らの家族とみられる女性5人と子ども18人を、収容されているシリアのキャンプから、それぞれの国へ帰国させたと明らかにした。

ドイツとフィンランドの外務省によると、女性と子どもは人道的な理由から19日に本国へ連れ戻されたという。

このうち女性3人については、ISに属している疑いで捜査が行われていると、ドイツメディアが報じた。

ISに参加した数百人の欧州出身者は、シリア北部にあるクルド人が運営するキャンプで暮らしている。

それらの人々は、2019年3月にISがシリアとイラクの活動拠点を失ったとされた後、行き場を失ったほかの数千人と共にキャンプへ移された。

多くはIS戦闘員の妻や子ども、あるいはジハーディスト(イスラム聖戦主義者)のシンパの疑いがある。

そうした人々がもたらす安全保障上のリスクを懸念し、一部の欧州諸国の政府はキャンプにいる自国民の帰国に消極的になっている。

15歳だった2015年にイギリスからシリアへ渡航し、ISに参加した女性が英市民権を剥奪されたのがその一例だ。

しかし人権団体は、女性や子どもをキャンプにとどめることで病気や過激化のリスクにさらしているとして、各国政府に自国民を帰国させるよう求めている。

「非常にほっとしている」

ドイツのハイコ・マース外相は20日、「昨日(19日)12人の子どもと3人の女性をシリア北東部のキャンプから帰国させられたことに非常にほっと」していると述べた。

マース氏は今回の帰国措置は「主に孤児や病気の子供たちのための、人道的事例」であり、「特に必要性と緊急性が高いと判断された」とした。

また、母親のいない子供を帰国させるのは法的には不可能だと述べた。

ドイツの放送局SWRは、帰国した女性の1人がフランクフルト空港で、ISのメンバーである疑いで逮捕されたと報じた。

検察によると、この女性はドイツ・ザクセン=アンハルト州出身で、15歳の時にシリアへ渡ってISに参加したとみられる。

ドイツ誌シュピーゲルは、ほかの2人の女性もISに参加した疑いで捜査を受けていると伝えた。

3人の女性はISの「ジハーディストの妻」で「健康状態が非常に悪い」と、クルド人当局の外交担当者カマル・アキフ氏はAFP通信に述べた。

「基本的権利を保護する義務」

一方、フィンランド外務省は子ども6人と女性2人を帰国させたと明らかにした。

「憲法の下では、フィンランドの公的機関にはキャンプに収容されているフィンランド人の子どもの基本的権利を可能な限り保護する義務がある」と同国外務省は述べた。

フィンランド政府は、シリア北東部のアル・ホール難民キャンプやロジ難民キャンプにはいまだ9000人以上の外国籍の女性と子どもが拘束されていると推定している。このうち子ども約600人と女性約300人がEU市民という。

「シリア北東部のキャンプは長期的な安全保障上のリスクをもたらしている」と、フィンランド外務省は付け加えた。

「子どもたちが保護や教育を受けずにキャンプに長い間とどまればとどまるほど、過激主義への対抗は難しくなるだろう」

(英語記事 Germany and Finland bring home women from IS camps