コロナ感染急増で医療現場スタッフ不足も 長崎大学病院、みなとメディカル 一般診療への影響も危惧

新型コロナウイルス感染症における医療現場の状況などについて会見する泉川教授(右)ら=長崎市坂本1丁目、長崎大医学部良順会館

 長崎県内での新型コロナウイルス感染者急増を受け、長崎大学病院(長崎市)と長崎みなとメディカルセンター(同)の病院長らが21日、長崎市の同大医学部で会見を開き、今後も感染者が増え続ければ「病床は逼迫(ひっぱく)し、医療スタッフも不足する」と強い危機感を示した。コロナ病床の増加に伴う一般診療への影響も危惧。県民に対し、年末年始の帰省や会食の自粛への協力を呼び掛けた。
 県内の病床調整を担う同病院感染制御教育センター長の泉川公一教授は、入院する感染者の中に基礎疾患がある人や要介護の高齢者らが多くなっていると説明。こうした患者はコロナの症状が軽症だとしても通常に比べ医療現場への負荷が大きいとした。さらに人手も必要になり、医療スタッフを確保するため一部の一般診療を休止する事態も生じているとしている。
 長崎医療圏(長崎、西海両市と西彼長与、時津両町)は県の要請を受け、コロナ病床を44床追加するために調整中。同病院は1病棟、同センターは2病棟を閉鎖し、コロナ患者に対応する看護師を確保する。閉鎖による入院延期など一般診療への影響は、同病院で約300人、同センターで約200人と試算している。
 同病院の中尾一彦病院長は「医療従事者にとって県民市民の皆さんが『感染しないこと』が1番の支援」と強調し、改めて感染予防を訴えた。


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