わがまち回顧2020 対馬支局 国内観光客誘致にかじ

観光業者が接客について学んだ対馬市と県によるセミナー=対馬市交流センター

 2018年に過去最多の約41万人を記録した対馬への韓国人観光客数は日韓関係が夏以降に悪化した19年に約26万人、コロナ禍で国際航路が春から運休した20年は約1万人に激減。島内観光産業の屋台骨が揺らぐ中、対馬市は国内観光客誘致の強化にかじを切った。
 市は7月に国内大手旅行代理店のベテラン社員を「対馬観光アドバイザー」に任命。代理店各社との連携などについて助言を得ている。
 また、県市などでつくる「対馬おもてなし協議会」は8月以降、島内の観光業者を対象に接客向上に向けたセミナーを開催。国内誘客の先進地視察として、12月は壱岐市の宿泊施設でおもてなしの実践例を学ぶ機会も設けた。
 統計値が出ている9月末時点で20年に国内航路・航空路で対馬を訪れたのは推定約13万人(島民含む)。コロナ禍の中で前年同期比4割減の水準にとどまっているが、県本土の中学校から修学旅行の団体客を受け入れるなど新たな取り組みも出てきた。今後の島内観光の新機軸に期待したい。
 主なニュースは▽対馬市長選で比田勝尚喜氏が再選▽対馬の人口が初の3万人割れ▽国が「SDGs未来都市」に対馬市選定▽対馬盗難仏像に韓国寺院が金彩施す意向を示す▽JR九州高速船が対馬-博多間の「混乗便」休止。


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