新型コロナウイルスの感染拡大を巡り、内閣官房参与で川崎市健康安全研究所の岡部信彦所長は22日、国内でのワクチン接種について、早ければ来年3月に始まるとの見通しを明らかにした。全国や神奈川県内の感染状況については「ステージ3(感染急増)に達しそうだ」と指摘、密集を避けマスク着用や手洗いなど予防策を徹底する必要性を強調した。市対策本部会議で見解を述べた。
岡部氏は、国内で初めて厚生労働省に承認申請された米製薬大手ファイザー社のワクチンについて、専門家による協議会での分析後、審査会で緊急承認するかどうか決めると説明。協議会と審査会は来年1~2月とし、「2月にゴーサイン(承認)が出るとすれば、3月から接種が始まる可能性がある」とした。患者と接する医療従事者から始め、高齢者、その他の市民の順に進めるという。
現在の感染状況については、「首都圏は一瞬下がったかに見えたが、このところ増加傾向。神奈川を含め医療体制が厳しい状況」と分析。特に20~50代の感染者が多いとし、「この世代に移動を少なくしていただいた方がいい」と述べた。
川崎市内の病床利用状況に関し、「コンスタントに毎日増え続ければ、いっぱいになる可能性がある」との見方を示した。特に入院が必要な重症、中等症患者の増加を抑える必要があるとし、「忘年会、クリスマスシーズンは静かに楽しみ、年末年始も家族単位で」と呼び掛けた。