アレナードが2度トレードされる可能性? 米記者が伝える

今オフのトレード市場ではノーラン・アレナード(ロッキーズ)の動向に注目が集まっている。6年1億9900万ドルという大型契約を残すアレナードをロッキーズは放出したがっているが、トレード実現に向けて様々なハードルがあり、具体的なトレード交渉が行われている様子はない。「ESPN」のジェフ・パッサンは、アレナードがトレードされる可能性について「球界の共通認識」としてアレナードが残留する可能性が高いことを伝えている。

しかし、パッサンによると、アレナードのトレードがもし実現するのであれば、3球団を巻き込んだ2つのトレードに発展する可能性があることを指摘する関係者がいるという。これはロッキーズがまずアレナードを別のチームへ放出したあと、そのチームが再び別のチームへアレナードを放出するというもの。要するに、アレナードが2度トレードされるということである。

最初のトレードは高額年俸選手同士の交換になると見られる。つまり、ロッキーズは球団フロントとの関係が悪化しているアレナードを放出する代わりに、他球団の高額年俸選手を引き取ることになる。この「他球団の高額年俸選手」は契約が残り1年の選手になる可能性が高いのではないだろうか。こうすることでロッキーズは来季終了後にFAとなるトレバー・ストーリーと契約を延長する資金を捻出できる。

2つ目のトレードはアレナードとプロスペクト(若手有望株)の交換となる。1つ目のトレードでアレナードを獲得したチームは、アレナードの年俸の一部を負担してまた別のチームへアレナードを放出。その代わりにプロスペクトを獲得する。「金銭負担する代わりにプロスペクトを得る」という立場のチームがあいだに入ることでアレナードのトレードが完了するというわけだ。この複雑なトレード案は「ロッキーズはアレナードを放出してプロスペクトを手に入れるという美味しい思いはできない」ということを示唆している。

とはいえ、このような複雑なトレードが実現する可能性は極めて低い。アレナードの高額年俸のほか、アレナードが全球団に対するトレード拒否権を持っていることや、来季終了にオプトアウト(契約破棄)できる権利を持っていることなどもトレード実現に向けてのハードルとなる。「球界の共通認識」の通り、アレナードは残留する可能性が高そうだ。

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