ファイザー社ワクチンの接種を開始 @カナダ・トロント【12月20日】 新型コロナウイルス 世界の反応・現地レポ

▲いつもならクリスマスマーケットがにぎわう。新型コロナ向け保険サービスも開始

 12月13日ファイザー社のワクチンが到着し、翌日ケベック市の介護施設で、89歳のジゼル・レべスクさんが、国内初となる接種を受けた。これにより、カナダはファイザー社のワクチン接種を開始した、世界で3番目の国となった。

 国内の感染者数は46万人を超えており、大部分はオンタリオ州とケベック州に集中する。そのため、トロント市やモントリオール市などの都市部から、高齢者や介護・医療従事者を中心に接種が開始される予定だ。トルドー首相は、年内に約25万回分が入荷する見込みだと発表したが、世界各国でワクチンの争奪戦が繰り広げられているため、実際は半分以下にとどまるのではないかとみられている。

 また、ワクチンはマイナス70度以下の低温管理が必要なため、要件を満たす冷凍庫を備えた保管場所の確保が求められる。現在は、主要都市の病院を中心に、国内14カ所にワクチンの保管場所が設けられている。

 オンタリオ州では、トロント市を中心にロックダウンが続く。12月21日までの予定だったが、感染者の減少が見られないことから、一部地域で年明けの1月4日まで延長されることになった。3月から開始されたアメリカとの国境封鎖は、1月21日までの更なる延長が発表された。これは両国ともに感染者が現在も増加し続けているため、どちらの国民も保護するためとされる。

 保険会社のブリッジス・インターナショナル保険サービスは、『COVID-19保険』の提供を開始した。カナダ居住者で、市民権、永住権、就労ビザ、学生ビザを保持する人が、国外や州外への旅行時に利用できる。緊急入院や治療、最寄りの医療機関への緊急搬送、自主隔離時の雑費、航空機の搭乗拒否など、州の健康医療保険が補償する部分を超えた費用に適用される。

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