南島原・土石流被災家屋保存公園 屋外2棟を解体撤去、県など方針 地盤沈下で倒壊の恐れ

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地盤沈下で倒壊の恐れがある被災家屋。立ち入り禁止区域になっている=南島原市、土石流被災家屋保存公園

 雲仙・普賢岳噴火時の土石流で被災した家屋11棟が保存、展示されている、長崎県南島原市深江町の「土石流被災家屋保存公園」の屋外展示8棟のうち2棟が地盤沈下で倒壊、陥没の恐れがあるとして、県や同市、地域住民らでつくる「同公園の補修等あり方検討委」(座長・浦亮治県地域づくり推進課長)は22日、2棟を解体撤去する方針を決めた。
 島原、南島原両市に挟まれた水無川流域では1992年8月8~14日、土石流によって多くの家屋や田畑が埋没した。同公園は、被害に遭った被災家屋11棟を当時の状況のまま現地に保存(1棟は移築)して展示。土石流災害の恐ろしさを後世に伝えている。
 しかし、99年の展示開始から20年以上が経過し、屋外家屋に劣化が目立ち始めた。今年1月に民間の文化財保存の専門業者が視察。2棟について補修維持は困難と判断した。今月12日開かれた同検討委初会合で、委員から「取り壊しはやむを得ない」と意見が出た。
 同検討委は22日、南島原市内で最終会合を開催。県が安全性が危惧される屋外2棟の解体撤去に加え、屋外にある別の6棟を当面現状維持し定期的な調査で安全管理が困難になった場合は解体するなどの案を提示し、おおむね了承された。
 被災家屋の元所有者で委員の川田兼富さん(65)は「安全性に配慮しつつも、ありのままの姿で保存してほしい」と語った。浦座長は「県議会や関係各所と相談しながら、必要な予算措置をし来年度には工事を進めたい」と話している。