諫早市芸術文化連盟名誉会長 森氏、長崎純心大学長 片岡氏 地域文化功労者に選出 文化庁

地域文化功労者に選出された森長之氏(写真左、諫早市提供)と片岡瑠美子氏(長崎純心大提供)

 文化庁は21日、本年度の「地域文化功労者表彰」に、長崎県から諫早市芸術文化連盟の森長之名誉会長(84)=同市=と、長崎純心大の片岡瑠美子学長(78)=長崎市=の2人を選んだと発表した。
 芸術文化の振興や文化財保護の分野で功績のあった個人や団体を文部科学大臣が表彰。全国から芸術文化分野で46件、文化財保護分野で45件が選ばれた。
 森名誉会長は、おこしなどの菓子製造販売業「菓秀苑森長」を営む一方、諫早文化協会会長などを歴任。2005年の市町合併に先駆け、旧諫早市と旧5町の文化協会で組織する同連盟の初代会長に就き、多彩な市民活動を支えた。諫早のんのこ踊りの普及や観光、産業の発展にも尽くした。
 片岡学長は、キリシタン研究の権威である父、故弥吉氏の教えを継ぎ、日本キリスト教史や教会史を研究。同大や純心女子高などで長崎の歴史、文化の教育を通した人材育成に尽力。長年、長崎市文化財審議会や市出島史跡整備審議会などの委員を務め、キリスト教と関係が深い文化財の保護に高い識見で功績を残した。
 森名誉会長は「家業の『菓子は文化なり』という考えを基に、各団体の懸命な活動をサポートしてきただけ。諫早の文化活動が評価されてうれしい」、片岡学長は「長崎のキリシタン関係史料や郷土史の調査を通し、地域創生に生かすとともに、長崎で活躍する学生を育てていきたい」と喜びを語った。
 表彰式は来年1月24日、京都市内で開かれる。

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