黒島結菜が照明オタクの主人公に。「ハルカの光」で古舘寛治と共演

NHK Eテレでは2021年2月8日から、黒島結菜と古舘寛治が共演する連続ドラマ「ハルカの光」(月曜午後7:25)が放送されることが分かった。

ドラマは、名作照明のとりことなった女性の物語。宮城で漁師の娘として育った幸本ハルカ(黒島)は、東日本大震災で家や多くの友人を失くし、落ち込んだ心を漁火(いさりび)の光に救われる。やがて東京に出たハルカは、名作照明を集めた専門店で、ある光に出合い、心を奪われ、店番として働くようになる。照明オタクのハルカが照明の魅力を人々に伝え、その人たちにぴったりな照明を見繕う過程で、人々の人生に次々と“光”がもたらしていく。そして、ハルカ自身もまた、数々の出会いを通して心の傷を乗り越え、希望の光を見いだしていく姿を、ユーモアとペーソスあふれるタッチで描き出す。

脚本を「毒島ゆり子のせきらら日記」(TBSほか)で向田邦子賞を受賞した気鋭の矢島弘一氏が担当。ハルカが働く照明店の店長・西谷慎一を古舘が演じるほか、イッセー尾形、塩見三省、渡辺大知、駿河太郎、内田慈、緒川たまき、田牧そら、山下容莉枝、甲本雅裕らが出演する。

「このドラマ『ハルカの光』は、震災によって心に傷を負ったハルカが、名作照明を集めたお店『エクラ』を経営している西谷さんと出会い、お店を訪れる人々との関わりの中で、少しずつ前を向いていくお話です」と作品を紹介する黒島は、「脚本を読んだ時に、私とハルカの根っこにある何かが近いなと思い、撮影をしていても自然と心が動いていて、ハッとしました。古舘さんや各回に訪れるすてきなゲストの方々とのお芝居は、楽しく、刺激的で、皆さんには感謝の気持ちでいっぱいです。また、監督やスタッフの方々の照明に対する愛を感じられる現場で過ごすことができたのも、うれしい思い出です」と撮影を振り返る。

そして「癒やされたり、ちょっと勇気が湧いたり、好きな人を思ったり、とても温かいドラマになっています。そして、ありのままを受け入れることの素晴らしさを感じてもらえたらいいなと思います」とメッセージを寄せている。

古舘は「出づっぱりの黒島さんは十分に寝られない中、文句も言わず頑張ってきました。Eテレではかなり希有な本格ドラマだそうです。黒島さんの真っすぐで穏やかな、しかし心(しん)のある人柄が作品を形作っていきます」と黒島の魅了を伝え、「今回は父親役ではありませんが、この髭面のおっさんもそこにいい化学反応を作れていたらいいと思います。大人も楽しめるものにしたいですね」とコメント。

さらに「震災10年をテーマにもしていて真面目さもあるけど、楽しくオシャレな(?)ものを目指してます。ゲストの方たちも素晴らしいメンバーです。出来上がりが楽しみです」と期待している。

演出の松原弘志氏は「人を幸せにする光を見たい! 昼はオブジェで夜は照明、インテリアにして芸術品である名作照明。このドラマには世界の名作照明が勢ぞろいしています。そして店まで作ってしまいました。まるで世界中の名作照明をコレクションした小さな美術館。そこに命を吹き込むのがハルカ役の黒島さん、西谷役の古舘さん。ゲストも見逃せません。脚本の矢島さん、すべてのスタッフの愛情によって、チャーミングな作品が誕生します」と仕上がりに自信を見せ、「照明バカ・ハルカを通して、震災10年の節目に、多くの人に幸せの光を見て元気になってもらいたい。そんな思いで作りました。よろしくお願いします。暗い日本をハルカがパッと明るくするのだ!」と作品に込めた思いを伝えた。

第1話では、恋愛よりも照明が大事で「1日中、光のことだけを考えていたい!」…そんな照明オタクのハルカと店長・西谷のもとを、「電球を売れ!」と連呼する老舗すし店の大将(尾形)が訪れる。しかし、ハルカは「ここに単に電球を求めてやって来るなんてすし屋でタピオカを頼むようなもの」だと大将を一蹴してしまう。怒って帰った大将だが、数日後なぜか再び店を訪れる。実は、最近店の女将(おかみ)で妻・アイノが急逝して店が急に暗くなったところに電球まで切れてしまったと身の上を告白する。そんな大将の目に留まったのは真鍮(しんちゅう)製のペンダントライト。フィンランドの建築家・デザイナーであるアルヴァ・アアルトがアイノと共に作った作品だが、アイノは55歳という若さで亡くなってしまったという。この照明は、1枚の真鍮から作られており、使い込むほどに味が出てくる。広い面積を照らす照明ではないのに、「人が集まる光」だとハルカは伝える。大将は試しに店でこの照明を点けてみることにする。

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