【2020.12.24配信】市販薬の適正使用の重要性を描いたショートストーリーの漫画がSNSやWEB上にアップされた。「マンガで分かる薬剤師」などでイラストを担当している油沼氏が描いたもの。監修はブログやSNSで市販薬の情報を発信しているkuriedits氏が担当した。
12月23日、NHKの朝の情報番組「あさイチ」で市販薬がテーマに取り上げられた。
SNS上では番組を観た視聴者から、「『この薬はお一人様一つまで』と書いてあるのは爆買いで海外持っていくヒトいるからだと思っていた」などの感想が寄せられ、適正使用の啓発がさらに必要な状況もうかがえた。
こうした中、「マンガで分かる薬剤師」などでイラストを担当している油沼氏がショートストーリーのマンガをSNSやWEB上にアップ。監修はブログやSNSで市販薬の情報を発信しているkuriedits氏が担当した。
特に依存の拡大が心配されている若年層にとって、とっつきやすいマンガという形での啓発は有効な手段の一つではないだろうか。
マンガの中では「薬は適切なタイミングで適切な量を使うから“薬”。それを守らなければ、毒にもなるし、依存症みたいな問題も起きる」と記述。医薬品はリスクとベネフィットを併せ持つという、医療関係者にとっては当たり前の基本だが、その基本を繰り返し、分かりやすく伝えていくことは重要だ。
マンガでは不安も抱く生活者に、「そんなときはぜひ薬剤師に聞いてくれ」として、薬剤師は身近な健康相談に乗る人だと語られている。
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シンプルな内容ではあるが、業界は「薬を飲まない」ということにつながらないかと、副作用に触れることを避けてきた面はないだろうか。健康相談に乗るのは薬剤師の使命だと言い切ることを、他の医療関係職種に気を使って遠慮がちにはしてこなかっただろうか。あるいは、そのことをどれだけアピールしてきただろうか。そんな思いもわく。
まずは恐れず、事実を生活者に伝え、生活者に育薬を提供することも薬剤師の役割だ。購入個数制限などの施策にとどまらず、今後、こうした適正使用啓発に向けたさまざまな手段が検討されることを期待したい。
油沼氏のTwitter
https://twitter.com/minddive_9/status/1155412395960836096