漁業者 一審取り消し主張 諫干即時開門訴訟 国は棄却求める 福岡高裁

入廷する原告漁業者の平田さん(右から2人目)ら=福岡高裁前

 長崎県諫早市小長井町、雲仙市瑞穂、国見両町の漁業者26人が国営諫早湾干拓事業の潮受け堤防排水門の即時開門を国に求めた訴訟の控訴審第1回口頭弁論が23日、福岡高裁(森冨義明裁判長)であった。原告側は「閉め切りで漁場環境が悪化し、漁業行使権が侵害された」とし、一審判決の取り消しを主張。国側は控訴棄却を求めた。
 一審の長崎地裁判決は3月、漁業者側が主張した「堤防閉め切りによる環境変化が漁業環境を悪化させたことは認められない」として請求を棄却した。
 原告の平田勝仁さん(55)=諫早市小長井町=が意見陳述し、「地裁判決は(2010年の開門確定判決を)拒否した国の態度を認めたようなもので怒りしかなく、一日も早く開門してほしい」と訴えた。原告側代理人は方法を限定せず、有明海再生へ漁業者との協議開始を主張した。
 国側は「原告が所属する漁協との漁業補償契約ですべて解決済み」などとし、開門請求の棄却を求めた。次回期日は3月1日。

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