地方から上京、器械体操で全国経験… DeNAのチア「diana」たちの素顔は?

「diana」のNatsuさん、Mayuさん、Rieさん(左から)【写真:松本洸】

来季メンバー18人のうち半数の9人が新加入、オーディションに約200人応募

DeNAの戦いをダンスや歌で後押しするオフィシャルパフォーマンスチーム「diana(ディアーナ)」。来季のメンバー18人が決まり、半数の9人が新加入となった。約200人が応募したオーディションを勝ち抜いた彼女たち。中には、異色の経歴や切実な思いを抱えて憧れの舞台をつかんだメンバーもいる。

新加入のMayuさんは、噛み締めるように言う。「まだ実感がわかなくて……」。高校時代から習い始めた大好きなダンスを、再び“仕事”にできることがうれしい。横浜スタジアムのグラウンドに立つ姿を想像しつつも「まずはチームのみんなと仲良くなって、いい雰囲気を作ってから」と初々しさものぞかせた。

テーマパークでダンサーとして活動していたが、コロナ禍による影響もあり、活動がストップに。一変した世の中を見渡し、一度は一般企業への就職も考えた。それでも、自らの踊りで多くの人が笑顔になる光景が忘れられない。「このまま私のダンス人生が終わっていいのかなって」。諦めきれず、受験を決断した。

加えて横浜は地元。「私もあのステージに立ちたいなと。横浜に貢献したい思いもありました」。晴れて一員となり、背筋が伸びる。「パフォーマンスに泥を塗らないように。スタンドの熱量を上げていくぞって思いで、1試合1試合丁寧に踊りたい」と思いを込める。

合格して2年目を迎えるNatsuさんは、異例の事態で思うようなパフォーマンスができなかったdiana1年目を振り返る。「やりきれない部分があって、悔しい気持ちも残りました」。その思いを2021年シーズンへ。「だからこそ、より一層頑張っていきたい」と意気込む。

約40人が進んだ最終審査で、唯一アクロバット演技を披露した。幼少期から器械体操に没頭し、全国大会の舞台も経験した実力者。バク転や宙返りはお手のもので「自分の強みでもあると思っています。それぞれの色をしっかり出していけるチーム」と魅力を発信する。新メンバー9人の“先輩”にもなるだけに「責任感を持って、お手本になれるような働きをしたいです」と言い切った。

熊本でのオールスターゲームで憧れ抱いた新加入のRieさん

来年で16年目を迎えるdiana。ビジター球場などに遠征することもあり、全国のグラウンドで笑顔を届けてきた。その魅力に惹かれたのが、新加入のRieさん。2018年に熊本で開催されたオールスターゲームを観に行った際、チアたちの姿に目を奪われた。

自身も高校時代はチア部に所属。「部活で披露していたときは目の前にお客さんがいるだけでしたが、球場になると360度」と違いを感じた。「チアダンスを仕事にしたい。まずはオーディションを受けてみよう」と、一念発起して上京。その熱意が通じ、夢を叶えた。

「合格発表が行われた日の夜は全然眠れませんでした」と笑う表情にはあどけなさも。18人のうち2番目に身長の低い153センチだが「誰よりも大きく見せられるように。あとは笑顔。まずは先輩方についていきます」と力強い。

それぞれが思いを抱え、2021年へ。Natsuさんは全員の思いを代表して言う。「来年もどういう状況になるか分かりませんが、私たちのパフォーマンスで明るく前に進めるんだ。と思っていただけるように」。満員のハマスタが戻ってくることを信じ、練習に励んでいく。(Full-Count編集部)

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