大物狙わない!DeNAの補強は泰然自若の〝掘り出し物路線〟

DeNA入団が決まり笑顔で球団タオルを掲げる風張蓮(代表撮影)

DeNAが泰然自若の〝掘り出し物路線〟で補強を進めている。24日に来季の契約合意に達したと発表したフェルナンド・ロメロ投手(26=ツインズ)も、その1人だ。

ドミニカ共和国出身の右腕はメジャー通算26試合登板で3勝4敗、防御率5・17と特筆すべき成績は残していないが、150キロ超の直球と高速シンカーが武器。20代後半と若く、2017年のMLB公式サイトではプロスペクトランキングトップ100に選出されたこともあるほどの逸材だ。

三原球団代表も「26歳と若く、ストレート、変化球ともにトップレベルの評価で必ずやチームの力になってくれると期待している」とし、先発候補の1人として考えているという。年俸7500万円(推定)で前評判通りならば、かなりのお買い得だ。

ちなみにロメロは今年もツインズから貴重な戦力として計算に入れられていたが、ビザが取得できなかったことで今季登板なしに終わっていた。あるア・リーグ球団スカウトによると「コロナ禍もあって米国ビザ再取得も未だ不透明なところでMLBが手出しできない中、身辺調査を入念に行っていたのがベイスターズだった。ツインズ側が『できれば手放したくない』と言うほどほれ込んでいた逸材であり、今オフ移籍市場で隠れた目玉右腕と言われていた」そうだ。つまり、間隔を縫って獲得に成功したというわけだ。

ロメロだけではない。今季限りで戦力外となり、合同トライアウトを経て獲得にこぎつけた風張蓮投手(27)もそう。今季は登板11試合にとどまったが、18年は53試合に登板したタフネス右腕。球団関係者によれば「他球団も獲得へ動き出そうとしているという情報もあった。環境を変えれば、まだまだ十分投げられる。言わば掘り出し物だからこそ、他に渡すわけにはいかない」と獲得を即決したという。

ビッグネームが額面通りに働くとも限らない。今オフは梶谷、井納と投打の主力がFA移籍してしまったが、巨人から人的補償でゲットした田中俊太内野手(27)も含めて、その穴は着々と埋められつつある。

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