企業訪問を装い 出張費不正受給 長崎県、男性課長級を処分

 複数の出張で業務を行わず交通費などを不正受給していたとして、長崎県は24日、県産業労働部の男性課長級職員(53)=県産業振興財団派遣=を停職2カ月の懲戒処分としたと発表した。併せて男性を課長級から課長補佐級に降格する分限処分にし、上司3人を厳重注意とした。いずれも同日付。
 県人事課によると、男性は企業誘致の担当。今年6~10月までの間、県外の3県に計9回出張したが、実際には企業を訪問せず家族に会うなど私的な行為を繰り返し、交通費や贈呈品のカステラ代など計6万9815円を不正受給した。
 10月14日、同僚が男性の行動に不審な点があると上司に報告し、企業訪問の実績などが偽造されていたことが発覚。ほかにも4~8月までの間、勤務時間中に業務用パソコンで私的なメールのやりとりを計25回していたことも分かった。
 男性は「公私混同をやってしまった。公務員としての意識、責任感が不足していた」と話しているという。県人事課の大安哲也課長は「公務員としてあるまじき不祥事。県民の皆さまに深くおわび申し上げる」と陳謝した。


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