サイ・ヤング賞右腕のバウアー 1年契約のオファーは検討せず

今オフの移籍市場で最も注目されている投手であるトレバー・バウアーは以前「毎年1年契約を結びたい」と言っていたことがあった。しかし、現在は1年契約のオファーを検討するつもりはないようだ。「MLBネットワーク・ラジオ」のジム・デュケットは、バウアーの代理人を務めるレイチェル・ルーバとのやりとりを踏まえて「彼のもとには複数年契約のオファーが複数届いている。彼は1年契約のオファーを受け入れるつもりはないだろう」と述べている。

現在29歳のバウアーは今季レッズで11試合に先発して73回を投げ、5勝4敗、防御率1.73、100奪三振の好成績をマーク。最優秀防御率のタイトルを獲得しただけでなく、ダルビッシュ有(カブス)やジェイコブ・デグロム(メッツ)との争いを制してサイ・ヤング賞を受賞した。60試合制の短縮シーズンだったとはいえ、自己最高の成績を残した右腕のもとには好条件のオファーが届いているものと見られ、バウアーがそれを拒否してまで1年契約に固執するつもりがないのは当然だろう。

バウアーの獲得に乗り出すであろうチームとしてエンゼルスやメッツの名前が報じられているが、バウアーとルーバは獲得を希望するすべてのチームからのオファーが出揃ってから条件を比較し、最終的な移籍先を決断する方針だ。バウアーとルーバはまだ各球団からのオファーが出揃っていないと考えており、デュケットは「バウアーの移籍先の決定は1月に持ち越される可能性が高い」と予想している。

日本プロ野球からのオファーも検討するつもりがあることを公言しているバウアーだが、年平均3000万ドルを超えるような大型契約が予想されているバウアーに対して複数年契約のオファーを提示できる日本の球団があるとは考えにくい。メジャーリーグの2021年シーズンの開催が危ぶまれるような状況になれば可能性はゼロとは言えないが、少なくとも現時点ではバウアーが新天地に日本の球団を選ぶ可能性はゼロに等しいと言えそうだ。

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