新生オトナの森さくら、石川佳純を完封 “気合前面”から“冷静沈着”にスタイルチェンジ

<卓球・ノジマTリーグ2020-2021シーズン 12月25日(金)>

Tリーグ女子の試合が行われ、日本生命レッドエルフ(以下、日本生命)が木下アビエル神奈川(以下、KA神奈川)をマッチカウント3-2で下し、今季9勝目をあげた。

日本生命はマッチカウント1-2と追い込まれた第4マッチ。昨季最多勝の森さくらが、KA神奈川のエース石川佳純を打ち破った。

“新生”森さくらが石川佳純に勝利

森は、9月の「2020 JAPAN オールスタードリームマッチ」での1ゲーム勝負で以外では、石川に1度も勝利したことがなかったという。

写真:ドリームマッチで戦う森さくら(日本生命レッドエルフ)/撮影:ラリーズ編集部

「めちゃくちゃ負けていますし、自信はまったくなかった。向かっていく気持ちだけ。失うものはない。良いプレーができた」と初勝利を振り返った。

写真:開幕当初の森さくら(日本生命レッドエルフ)/撮影:ラリーズ編集部

森と言えば、雄叫びをあげ、気合を全面に出すスタイルが特徴の1つだ。しかし、今回の試合では、冷静に静かに戦う“新生森さくら”のプレーが見られた。

「今までは気合前面だった。でも私も24歳。これからは新しいことにチャレンジして、若い子たちには負けないという気持ちで今季は臨んでいる。まずは冷静に。気合や気持ちより技術を試したいと思った」。

冷静沈着なサーブレシーブで石川に的を絞らせず、2ゲーム目は11-0で奪うなど3ゲーム合計12点でシャットアウトした。

写真:森に敗れた石川佳純(木下アビエル神奈川)/提供:©T.LEAGUE

ヨーロッパチャンピオンズリーグでの経験が転機に

森の転機となったのは12月3~8日でオーストリアにて開催されたヨーロッパチャンピオンズリーグ出場だ。ホドーニン(チェコ)から参戦した森は、個人成績7戦7勝と結果を残した。

写真:森さくら(日本生命レッドエルフ)/撮影:ラリーズ編集部

村上恭和総監督も「チャンピオンズリーグで試合する中で、以前の“雄叫びさくら”をやめて“静かなさくら”の方が集中できると気づいて、本当に声出したいところも抑えてやっていた」と新生・森の活躍を分析する。

森は「(コロナの影響もあり)ずっと試合をしていなかったので、開幕すぐは緊張もしていた。チャンピオンズリーグでは試合を経験できて、試合勘も戻ってきた。帰ってきてからは自分に自信を持って冷静に良いプレーができている。昨日も負けたが納得しているし、勝ち負けにこだわらず、自分が後悔しないこと、やりたい技術を試したいという心理状態で戦えている」と笑顔を見せた。

日本生命レッドエルフ 2-3 木下アビエル神奈川

写真:最後を締めた早田ひな(日本生命レッドエルフ)/提供:©T.LEAGUE

赤江夏星/前田美優 0-2 〇木原美悠/長﨑美柚
5-11/9-11

〇早田ひな 3-0 木村香純
11-6/11-9/11-6

陳思羽 0-3 〇木原美悠
9-11/10-11/9-11

〇森さくら 3-0 石川佳純
11-8/11-0/11-4

〇早田ひな 1-0 長﨑美柚
11-6

文:ラリーズ編集部

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