25日の契約更改交渉で1億5000万円の2年契約を結んだ和田
ソフトバンクの和田毅投手が25日、PayPayドーム内の球団事務所で契約更改交渉を行い、5000万円増となる1億5000万円の2年契約でサインした。来年の2月で40歳となるベテランに対して異例とも言える複数年契約に「もう1年もらえたことで来年ダメだったと言われないように」と闘志をみなぎらせた。(金額は推定)
今季の和田は16試合に登板して8勝1敗、防御率2.94。2018年に左肩を痛めていたことから、首脳陣の配慮もあり、登板間隔を空けながらではあったものの、1年間ローテの一角で投げ続けた。シーズンを通して投げたのは、ソフトバンクに復帰した2014年以来だ。
会見後に新たに2年契約を結んだことを明かした和田は「球団の方から『2年は戦力として計算している』と言っていただいたことが嬉しかった」とニッコリ。来年2月に40歳となるが、「40歳まで第一線でいることが大きな目標だった。それを叶えられそうですが、それは来年投げてこそ。もう1年もらえたことで来年ダメだったと言われないように、1年1年頑張っていきたい」と気を引き締めた。
40歳で迎える来季に向けて「未知なる世界ですよ」とも
40代となって迎える現役生活を「未知なる世界ですよ」と表現し「1年1年が勝負。評価に恥じないようなピッチングや振る舞いをして(そういう姿勢を)ホークスに残せるように身を引き締めていきたい」と和田は語る。そして「(登板なしで終わった)2018年のことを考えると想像もつかないんですけど、この年齢で2年契約をもらえたことはすごく嬉しいですし、他の選手がこの年齢になった時の励みになれればいいなと思います」としみじみと語った。
今季限りで阪神の藤川球児投手、楽天の渡辺直人内野手と久保裕也投手が現役を引退し「松坂世代」の現役選手は松坂大輔(西武)と和田の2人だけとなった。
「この年齢になると全員が納得というか、やり切ったという表情をして引退しているのでね。自分もそういう辞め時を考える時が来ると思いますが、一番は彼らのように『やり切った、やり残したことはない』という気持ちで野球が辞められるように。(契約の)年数はもらえたとしても、1球1球全力でやって『この1球で辞めてもいい』くらいの、彼らのように完全燃焼できるように頑張りたいなと思います」
千賀滉大ら若い先発陣からの信頼も厚く、よき相談相手であることも球団の高い評価に繋がっている。そんな後輩たちのためにも、ユニホームを脱いだ同級生たちのためにも、和田は松坂世代の“ラストサムライ”となるまで、自らの年齢に抗いながら投げ続ける。(藤浦一都 / Kazuto Fujiura)