ウィズコロナ時代を健やかに 知っておきたい生活の中での注意点

 2019年12月の中国・武漢市での発生報告以降、世界各地で猛威を振るっている「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)」。2019年3月には東京五輪・パラリンピックの延期が決定し、4月には「緊急事態宣言」が発令。解除後も外出の自粛が求められるなど、私たちの生活はそれまでと全く違うものになった。

 ワクチンの開発も待たれるこの感染症がどのような病気なのか、今一度認識するとともに、「新しい生活様式」での注意点を確認しよう。

どんな病気?

 主な感染経路は、飛沫感染と接触感染。
 ウイルスに感染すると、平均5~6日、最長2週間の潜伏期間の後、発症する。初期症状は発熱、咳、体のだるさなどで、「風邪」と似ている。
 他の人に感染させる可能性があるのは、発症の2日前から発症後7~10日程度の期間だが、発症前後が最も感染力が高いといわれている。

有効な感染予防は?

 厚生労働省は、感染防止の三つの基本として①身体的距離の確保(ソーシャルディスタンス)②マスクの着用③手洗い、を呼び掛けている。例えば、買い物時はできるだけ混雑する時間帯を避け、人との距離を保つ。室内で過ごす場合は、こまめな換気などを心がけよう。また、新型コロナウイルスは、インフルエンザウイルス同様、アルコール消毒が有効なので、帰宅時の手洗いやアルコール消毒で感染リスクを減らしたい。

注意する場面は?

 感染リスクが高まる「3密」(密集、密接、密閉)にならないよう注意することが必要だ。マスク無しでの会話は避ける、マスクを外す飲食時などは、「うつさない」「うつらない」ためにも、少人数で席の配置が向かい合わないようにする、大声で話さない、などに気を付けたい。

重症化しやすいのはどんな人?

 新型コロナウイルス感染症と診断された人のうち、高齢者と基礎疾患がある人は重症化しやすいというデータがある。30歳代の罹患者と比べると、60歳代は25倍、70歳代は47倍、80歳代は71倍、90歳以上は78倍と、年齢と共に重症化率も上がっていく。
 また、糖尿病、高血圧、心血管疾患、肥満といった基礎疾患も、重症化のリスクとなる。

適切な医療機関の受診を

 冬になると、インフルエンザや風邪などが原因の発熱も多くなる。発熱などの症状がある時は、外出を控え、毎日体温の計測を。いきなり医療機関を受診せず、まずはかかりつけ医や相談センターへ電話で相談しよう。

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 まだ十分な調査、研究が進んでいないが、新型コロナウイルス感染症と診断された後に回復した人の中には、日常生活に戻っても倦怠感や息苦しさといった「後遺症」と思われる症状を訴える例も見られ始めた。

 ウイルスと共存せざるを得ない時代。自分も周囲も健やかに過ごせるよう、一人一人がしっかりと予防対策に取り組もう。

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