【注目ライバーインタビュー中編】ガンダムライバー・きぬごしのガンプラ愛「大人になって、こんな作品だったっけ?」と見直してハマった

大人気の動画共有サイト「ミクチャ」上で行われたジェイタメコラボイベント第2回で、見事ポイントランキング1位に輝いたのが、ガンダムライバーとして活動する「きぬごし」。ガンプラ作りをこよなく愛しするオタクだというイケメンはいったいどんなライバーなのか__。優勝記念に3回に渡って根掘り葉掘り聞いてみた中編は、ガンダム愛をこれでもかと語ってもらった。

──どんな感じでガンダムプラモデル(=ガンプラ)を作っていますか?

きぬごし:ガンプラって、最初はひとつひとつランナーというパーツに付いているものなんですけど、それを組み上げることによってアニメの世界に出ているものが自分の目の前に現れる瞬間があるんですよ! 今では超合金とか他にも作られているものがあるので、それを買えばいいんじゃないかってわけでもなくて、自分の想像を現実にできるのがプラモデルだと思っています。一般的に決まっているカラーはもちろんあるんですけど、それだけではなく、リアルさを追求してわざと汚してみたり可愛くできるっていうのも…。まずは自分が作り上げてできたものを見てほしいっていうのがありますね。

──ガンプラの認知度を上げたい?

きぬごし:ガンプラって累計出荷数では日本人1人が1体作っている計算になるそうです。「作ったこともない人が世の中にいっぱいいるのに、そんな量の出荷どこでしているんだ?」と思うじゃないですか(笑)。でも、細かいストーリーを知らない人でもガンダムという存在は知っていると思うし、ガンダムのプラモデルって絶対に聞いたことがあると思うんですね、リカちゃん人形と同じくらいに! なので、できれば作ってみてどうだったかっていうのも感じてもらいたいですね。とりあえず小さいのでも大きいのでもいいから作ったときにそれがかっこいいな、可愛いなって思えたら、ハマるきっかけになるんじゃないかな。

──ガンプラとの出会いは?

きぬごし:子供のころ、三等身くらいの小さいガンプラなんですけど作ったり、もともと図画工作とか家庭科・体育とかをやる方が向いてたんですよね。自分で創造する方が得意でした。でも当時はガンプラを作りたくてもお金がなくて精密に作ることができなかった。筆で塗ったらムラができるのでペンスプレーを使いたいけどないから塗装ができないとか、ニッパー買いたいけど高くて買えないとか、荒いヤスリでガリガリになっちゃうとか(笑)。それをまたこの歳になって久しぶりに作ってみて、コロナ禍だしガンダム好きだったしで、ガンプラを作る配信をしてみようかなと始めたんですよ。

https://www.tiktok.com/@j_tame/video/6902016817674456322?lang=ja-JP&sender_device=pc&sender_web_id=6910514694273598977&is_from_webapp=v2

──意外にも「大人になって再燃した」派なんですね(笑)

きぬごし:そうなんですよ。最初は、足を作るだけで3時間もの配信になっちゃって、コメント返しながらやっていたらいつ完成するんだみたいな(笑)。でも作ったものを写真でアップして、凄いじゃんって言ってもらえて、ただ作るだけでそんなに凄いのかって思いましたね。大人になった今ならお金もあるし、あのころ作ってみたかったなって思いが蘇ったんですよね。「やりたくてもできなかったことが今やれるぞ!」って。ネットやモデラーさんが作っているYouTubeを拝見したときに、凄いな、自分ももっと作ってみたいと思って、それがガンプラ制作を再び始めたきっかけです。配信を通してガンプラ制作が過去の思い出にリンクしてしまうようなことをやりたいと思った瞬間です。

──大人でもハマれますか?ガンプラ作り。

きぬごし:年上の人からは親に「まだあんたそんなことやってるの」って言われて辞めたんだと聞いたことがあって(汗)。でも、やっぱり触れてみないとわからない部分があるので…。高いものではなくてもいいので、ひとつは作ってみて、そのガンダムがどの作品に出ているのかなって思えば、ガンダムのアニメを見る(見返す)きっかけにもなるだろうし、ストーリーも膨大にあるので、その世界に自然と入っていけるんじゃないかって思いますね。

──制作してきた中で思い出に残っているものは?

きぬごし:今持って来ているこれ(※ガンダムバルバトス「鉄血のオルフェンズ」)が、初めて1/100サイズで全塗装した作品なんです。自画自賛しても、これを超えるものを作ってくるモデラーさんなんてたくさんいるわけですが(汗)。ただ全塗装するって言ったものの、できるかどうかが不安で(笑)。塗装って、シンナーの匂いがする中でやらなきゃ行けないし、塗る工程と作る工程って全然違うし、ホワイトにも自分でなりに青を入れて自分の色を作って、影になると青みが出てたりとか、白いところはライトが当たると完全に光沢の白が出て来たりとかを考えながら作ってるんですよね。オリジナルに近い色でも、「バルバトス」って「悪魔」って意味なので、悪魔っぽく自分で紫を入れたり、溝も自分で全部彫って墨入れもして、それを塗装前の仕込みの段階でやらないといけないので、そこもYouTubeで語ったりして…。

──膨大な工程だ。

きぬごし:だから、誰が作っても世界にひとつしかないものが作れて、さらにその作品を見てもらえるっていうのがガンプラの良さだと思います。プラモデルのベースは同じでも仕上がりはそれぞれ一点もので違うので!

──きぬごしさんの「ガンダム愛」を語ってください。

きぬごし:親が共働きで小学生低学年のころから1人でお留守番するのが当たり前だったんですけど、部屋にいるのも怖くて、夜になったりして部屋が暗くなるのが怖かったんです。そのときケーブルテレビで見ていたアニメが僕の唯一の救いだったんですよ。放送局「アニマックス」が古いアニメや昭和アニメを、たとえば、「じゃりんこチエ」とか「バカボン」とかやっていたり、ガンダムがあったり「エヴァンゲリヲン」だったり…。でも、ガンダムやエヴァはどちらかと言えば暗い話なんですよね(笑)。シリアスで戦争とか何と戦っているかもわからなくて…

──子供には難しい世界観だった?

きぬごし:やっぱり子供のころってヒーローがいて悪がいるみたいな勧善懲悪ものが好きでしたね。だけど、そのころ見ていたというベースがあったので、大人になって見たときに「ガンダムってこんな作品だったっけ?」って思ったんですよ。こんな敵にもストーリーがあって、ガンダムではアムロ目線でいけば、赤い彗星のシャアの敵といえばエースパイロットで、常にライバルみたいなんですけど、逆にシャアの目線っていうのが大人になって分かったときに、富野さん(富野由悠季監督)の世界観って勧善懲悪ではなくて、みんな正義がそれぞれあるっていうのが面白かったですよね。続編は作品の色が変わってくる。それも大人になって見返しているんですよ。

──大人になって世界観に魅了された?

きぬごし:ガンダムって、「スターウォーズ」と一緒だと思っていて(笑)。スターウォーズははじめ4・5・6ってストーリーが進むじゃないですか。そして話が繋がる瞬間が3で! なのでアナキン=スカイウォーカーっていう人間がいて、でもそこでルーク=スカイウォーカーの話が始まってるのに、スカイウォーカーは一緒だけどアナキンじゃないみたいな、どうなっているんだみたいな。それで6で全部明かされているわけじゃないですか。ガンダムもはじめファーストガンダムといいながら、それより前の話があるわけで、今「ガンダム・ジ・オリジン」としてシャアが子供のころからの目線があるし、とうとう戦争が始まるぞっていう前の話からずっとやっているわけですよ。それが今の年になって綺麗な映像で見ることができて! 全編を通して話が繋がった瞬間って物語的に最高に面白いじゃないですか! その瞬間を知っている人は共感できるんじゃないかと思います。

■きぬごし ライバーエージェント「ENPASS」所属。1992年2月15日生まれ。広島県出身。血液型B型。身長175cm。趣味特技はガンダム作り、料理、カラオケ、webページ作成、デザイン、スニーカー収集。WEBデザイナーとして仕事をするかたわら、2020年3月からライブ配信アプリ「ミクチャ」でライブ配信スタート。「きたコメントは100%返します」をモットーにライバーとして活動。ファン数は800人を超える。20年秋には、ガンダムの良さを日本のみならず世界にも広めるためYouTubeチャンネル「きぬぷらちゃんねる」を開設。自身1人で撮影/編集/企画立案/サムネイル作成をしている。現在は、Youtuberとライバーとしての活動に専念するため仕事を辞め、ガンプラ作りの世界大会「GUNPLA BUILDERS WORLD CUP」で優勝することを目標にそれまでの道のりを日々動画にUPし続けている。

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