蝶野正洋「事務所に届いたアベノマスク2枚、記念に取ってあるぜ」

蝶野正洋

いろいろありすぎた激動の2020年も残すところ、あとわずか。プロレスラーの〝黒のカリスマ〟蝶野正洋(57)がそんな今年の出来事をブッタ斬ります。第1回はやはり避けては通れぬあの話題から。

【蝶野正洋2020年を斬る(1)】オスッ、蝶野だ。今年は新型コロナウイルスのせいで何もかもが変わってしまったな。もちろん医療現場も大変だろうけど、影響はそれだけにとどまらなかった。最初のうちはパチンコ店が休業要請を無視して営業するのが問題になったり、過剰な正義感で外出している人に監視の目を光らせて攻撃する「自粛警察」とかもあったし。で、夏過ぎに収束かと思ったらまた感染者が増えだして、年末にきて変異種だろ。ホントいい加減にしてほしいよ。

春には緊急事態宣言も出た。あの時より感染者数が多い今、宣言が出ないのも不思議な話だよな。緊急事態中は夫婦や家族がずっと一緒に家にいることでストレスがたまって虐待が起きたり、「コロナ離婚」とかも話題になったっけ。その点に関してはウチは大丈夫だったよ。カミさんにとっては、俺が家事を一切やらないのがストレスだったと思うんだけど、宣言中はは食卓の準備とか片づけとかを自主的にやったから、むしろ円満になったかも。カミさんとは会社も一緒にやってるし、もともと24時間一緒にいるようなもんだからな。お父さん、お母さんと役割を持って、みんなで家事をするという意味ではいい機会だったと思うよ。

それにしても日本政府の対応は本当に優柔不断で、ここまでひどいとは思わなかったよ。民衆から選ばれて、何かポリシーを持ってやっているっていうのがない。安倍さんのコラボ動画(歌手・星野源がSNSで公開した楽曲「うちで踊ろう」に安倍前首相が参加)なんか完全に感覚がズレてたよな。菅さんも菅さんでステーキ会食で非難を浴びているし。東日本大震災の時は当時の民主党政権の対応のまずさが叩かれたけど、同じような対応になっちゃってて、かえって混乱を招いてる。

飲食店なんかも休業して失業しても補償はない。先頭に立ってる人が「右に曲がります」って言うから付いていったら、その先は崖っ縁で「私たちは先導したわけじゃないですよ」って、ひどすぎるだろ。災害時の自助じゃないけど、一人ひとりが、きちんとした判断を持たないといけないよ。

政治家の限界を知るとともに、改めて国を動かしているのはお役人だと感じたな。でも、エリート官僚ってのが人間として道徳的にどんな観点を持っているんだろうって疑問を感じる。国民の要望にまったく応えられていない。行政の改革が必要と感じるけど、まぁ、できないだろうな。

何もしないよりいいって意味では、アベノマスクは面白かったな。経緯はいろいろあったけど、事務所に届いた2枚はありがたく記念に取ってあるぜ。

それじゃ、今回はここまで。ガーーッデムッ! アイアム・チョーノ! =続く=

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