【人生を変えることば選び】人生には「3つの喜びがある」

支えてもらった人の存在を意識することでパワーが生まれる(写真はイメージ)

【ほめ達・松本秀男 人生を変えることば選び】クリスマスシーズンを迎えました。コロナ禍でいつもの年とは違う街角ですが、それでも家々の窓の向こうでは、プレゼントを渡し合い、笑顔や喜びがあふれているのでしょうね。一方、仕事などでひとりさみしいクリスマスや年末、という方もいると思います。それでもその仕事の先には、必ず誰かの笑顔があるものです。その笑顔を信じて頑張りたいですね。

以前、私の恩師から教えてもらったことばがあります。人生には「3つの喜びがある」と。

それは「してもらう喜び」

「できる喜び」

「してあげる喜び」

それを聞いてとてもうなったことを覚えています。まるで人の成長過程を表しているようですね。まずは子供のころに、たくさんの愛を受けながら「してもらう喜び」を感じ、やがて自分で「できる喜び」を味わいながら大人になっていく。そして今度は誰かにそれを「してあげる喜び」が生まれる。

私たちの仕事もまさに、自分が「できる」ようになったことを、誰かに「してあげる」こと。自分の「成長」が、誰かへの「貢献」につながること。その仕事、その貢献の先には、必ず誰かの「してもらう喜び」、そして笑顔につながります。それを仕事の励みにしていきたいですね。

ただ、大人になって、いろいろなことを自分でできるようになってくると、多少おごりも出てきて、「してもらう喜び」を忘れてしまうことがあります。人はひとりでは生きていけないもの。この一年の終わりに、もう一度「してもらう喜び」を確認するのもいいと思います。

方法として「サポーターズリスト」作成がオススメです。自分を応援してくれている人、サポーターがどれだけいるのか、リストにして書き出してみる。ご家族や会社の上司、同僚や部下がすぐに浮かぶと思いますが、ささやかなサポートまで考えると、けっこう自分にはたくさんのサポーターがいると気づきます。

たとえば同じ会社でいつも気持ち良く事務手続きをしてくれる方や、お客さまや協力会社の方。ビル清掃の元気なお母さんとか、いつも寄るコンビニの感じのいい店員さんなど。さらにこれまでにお世話になった人まで入れたら、とんでもない数になります。

何よりこのサポーターズリストには自分がこれまで多くの人に支えられてきたことを再確認できる効用も。誰もが大変だったコロナ禍の一年で「また来年も頑張ろう」と自然とパワーが出てきます。今年をいい形で締めくくり、素晴らしい新年を迎えましょう。

☆まつもと・ひでお 1961年東京都生まれ。国学院大学文学部卒業後、さだまさし氏の制作担当マネジャー、ガソリンスタンド経営を経て、45歳で外資の損害保険会社に入社。トップ営業マンとなり数々の実績を作る。現在は一般社団法人・日本ほめる達人協会専務理事を務め、企業セミナーなど多方面で活躍中。著書に「できる大人のことばの選び方」や「できる大人は『ひと言』加える」など。

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