12球団“最速投手”は誰? ストレート平均球速で見る剛腕投手ランキング

阪神・藤浪晋太郎(左)と西武・平良海馬【写真:荒川祐史】

全投手でトップは阪神のスアレスで平均155.6キロ

見るものをワクワクさせてくれる剛速球。近年のプロ野球界では150キロ超の真っ直ぐは珍しくなくなり、ソフトバンクの千賀滉大投手や西武の平良海馬投手、阪神の藤浪晋太郎投手など、日本人でも160キロを超える投手が出てきている。

日本人最速、そして国内最速は2016年に日本ハムの大谷翔平投手がマークした165キロ。巨人のチアゴ・ビエイラ投手が今季の日本シリーズでマークした164キロが2位で、藤浪らの162キロが3位となる。

では、今季のプロ野球でストレートのアベレージ球速が速かった投手は一体誰なのだろうか。セイバーメトリクスの指標を用い分析などを行う株式会社DELTAのデータを基に検証してみる。なお、対象は20イニング以上を投げている投手に限定した。

今季12球団でストレートの平均球速が最も速かったのは阪神の守護神ロベルト・スアレス投手。アベレージは155.6キロだった。これに次ぐ2位は155.5キロで西武のセットアッパーのリード・ギャレット投手となり、巨人のチアゴ・ビエイラ投手(155.4キロ)、中日のライデル・マルティネス投手(154.7キロ)、DeNAのエドウィン・エスコバー投手(153.7キロ)と続く。

日本人最速は西武平良で153.4キロ、先発投手の最速はソフトバンク千賀

上位5人は助っ人投手が占め、日本人の最速は西武の平良で平均153.7キロ。平良は全選手で6位に位置し、ロッテの澤村拓一投手が153.6キロで7位となる。8位は巨人のルビー・デラロサ投手で、やはり短いイニングを全力で抑えに行くリリーフ投手が上位を占める形になった。

先発で平均球速トップはソフトバンクの千賀滉大投手でアベレージは153.4キロ。これは全体では9位になる。先発投手で千賀に続くのは日本ハムのドリュー・バーヘイゲン投手の152.9キロ。オリックスの山本由伸投手は151.3キロで先発では千賀、バーヘイゲンに次ぐパ・リーグの先発では3位だった。

セ・リーグの先発投手で1位は中日のヤリエル・ロドリゲスで149.8キロ。これは全体で22位。日本人に限れば、巨人の菅野智之投手が148.9キロでトップとなり、全体では31位となった。なお、今季はリリーフでの起用が多かった藤浪は平均152.9キロ。20イニング以上投げている投手の中で12位となっている。

20イニング以上投げた投手の上位40人の内訳はセ・リーグ23人、パ・リーグ17人となる。セ・リーグ23人のうち先発投手は3人、外国人が12人。一方、パ・リーグの17人のうち先発投手は7人、外国人は9人となっている。(Full-Count編集部 データ提供:DELTA)

データ提供:DELTA
2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』も運営する。

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