大河ドラマの焦点・光秀母の「はりつけ」伝承 石川さゆりは〝処刑〟されるのか

石川さゆり

石川さゆりの〝処刑〟はあるのか…。

新型コロナ禍に伴う撮影中断の影響で異例の年越し、三が日の1月3日も放送されるNHK大河ドラマ「麒麟がくる」で主人公・明智光秀(長谷川博己)の母・牧を演じている石川。物語は光秀が織田信長に丹波攻略を命じられるところまで進んだ。今後は、牧が人質となり「はりつけ死」を遂げるという、丹波攻めにまつわる一部伝承が取り上げられるか否かが注目される。

「来年になると、いよいよ光秀が八上城に攻めて来ます!!…と思います」

こんなメッセージを発したのは、兵庫県東部で京都府との境にある丹波篠山市の酒井隆明市長。市ホームページ内「市長日記」の23日付で発信した。ドラマ直後の「麒麟がくる紀行」の撮影班が市内の八上城を訪れたことを紹介し、丹波攻めを象徴する八上城攻防戦の登場への期待感をつづった。

「麒麟がくる」は27日の第38回が「丹波攻略命令」と題され、信長の命を受けた光秀が丹波に潜入するところまでが放送された。後に始まる光秀の攻略戦について一部で伝えられているのが、以下のような趣旨のストーリーだ。

難航を極めた丹波攻めにあって、光秀がとりわけ苦戦したのが波多野秀治ら一族がこもった八上城の攻囲戦。最後は牧が人質となり、引き換えに秀治らが投降した。秀治らの命は保証されるという取引を信長がホゴにしたため、報復で牧がはりつけに。これが光秀の信長討ち「本能寺の変」の遠因だという話が地元に伝わっている。放送に先立つ昨年には住民有志らの組織がこの伝承をPRするポスターを作るなどし、話題になった。

現地には、牧がくくられた「はりつけ松」の跡地の案内板も。一方で、こうした伝承は事実でないとする見方も強く、丹波攻略戦を詳述するも、牧には触れない歴史専門誌の記事もみられる。

大河ドラマでは、1996年の「秀吉」で野際陽子が演じた光秀の母がはりつけにされるシーンがあったという。「麒麟がくる」の次回は「本願寺を叩け」のため、丹波攻めは〝お預け〟か。2月7日の最終回が迫り、このところ登場のない牧=石川への関心も高まりそうだ。

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