【RIZIN】所英男が太田忍戦へ胸中明かす「僕との試合で流れをつかんで…」「でも、試合になったら一本取りに行きますよ」

太田忍戦について語る所英男

大みそかの格闘技イベント「RIZIN.26」(さいたまスーパーアリーナ)で、2016年リオデジャネイロ五輪レスリング男子グレコローマン59キロ級銀メダルの太田忍(26)のデビュー戦の相手を務める所英男(43)が決戦への意気込みを語った。3年ぶりの総合格闘技(MMA)戦を前に、大ベテランの胸中は…。

――久々のMMA戦だが

所 久しぶりなんで(当日は)きっと緊張もあるでしょうけど、今は楽しみの方が多いというか。今回は相手のデータがないので、自分のやりたいことをやるっていうことが目標なので。どんな試合になるか分からない怖さもありつつ、楽しみですね。

――データのない相手と対戦するのは…

所 ZST(総合格闘技団体)で外国人とやった試合以来じゃないですかね。だから「何やろうかな」みたいなワクワクがあります。ここにきてそんな楽しいことをさせてもらえるのは嬉しいですね。

――太田に「プロとは何か」を叩き込んでほしいとの期待もある

所 違う世界で慣れないことをやるので、僕との試合で流れをつかんでほしいです。試合に挑む感じとか、イベントの感じとか。総合格闘技の試合の感じとか。そういうのをつかんでもらえたらと思うんですけど。

――そう言いつつ全力で若手を潰しにいく姿が目に浮かぶ

所 いやいや…(苦笑い)。でも、試合になったらもちろん、一本取りに行きますよ。じゃないと、向こうは僕のことを失神させに来てますから、やんないといけない。

――会見で顔を合わせた。その時の印象は

所 五輪で銀メダルを取るようなスーパーマンが「総合格闘技は甘い世界じゃない」って言って本腰入れて練習されているので、そうそう簡単に勝てないと思いますね。表情を見ていても、なんとなくやっている人じゃないなって感じました。僕も、太田さんに恥じない本気度で行きます。

――格闘技ジム「リバーサルジム武蔵小杉 所プラス」を主宰する〝戦う経営者〟としては、新型コロナウイルス禍は大変だったのでは

所 それが、会員さんみなさんほぼやめないでくれたんです。それに関しては「本当にありがとうございます」っていうことで、その感謝の気持ちも込めて試合をさせてもらいたいです。それと、今いる会員さんの中には僕がRIZINで戦っているところを(生で)見たことがない人もいて、今回とても喜んでくれているので。こういう時期にもかかわらず会場にも応援に来てくれるので、そういう人たちの喜ぶ顔を見られるように頑張りたいですね。

――ジム会員さんのために戦うと

所 はい。あとは家族ですね。息子の叶大(かなた)が今4歳で。

――前回2017年7月の堀口恭司戦の時は生まれたばかりだ

所 そうなんですよ。だから前回の試合のことは全然わかってない。でも、この間の(リング上であいさつを行った11月の)大阪大会はテレビで見て、僕の入場で「パパ」って言ってたんですよ。太田さんが出て来る時は「パパ」って言わなかったんで、どっちがパパか分かるんだなって思いました。

――今回戦う姿は息子さんの記憶に残るかも

所 そうですね。やっぱり将来反抗期になったときのためにも記憶に残したい。

――反抗期…

所 反抗期になっても「そういえばパパって昔は強かったんだよな」って思えば、少しは言うことを聞いてくれそうなんで。

――でも4歳のころの記憶って残ってるか微妙ですよね

所 そうなんですよね(ため息)。

――自身は4歳くらいの時の記憶はあるか

所 なんか、うっすらその年の頃の記憶はありますね。だから強く印象を残せるように頑張ります。でも、頑張っても全然覚えてもらえなかったらつらいなあ…。

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