コロナ禍だから? 40万円の龍の縁起物、異例の売れ行き

作品を見る上島代表=小田原鋳物研究所

 小田原風鈴などを製作しているNPO法人小田原鋳物研究所(小田原市曽我原)で、1作品40万円もする招運の縁起物が売れている。こうした作品は半年や1年間に1作品のペースで売れるのが普通だが、3カ月で4作品(予約中も含む)も売れた。上島国澄代表(76)は「こんなことは異例中の異例」と驚いている。

 作品「波と喚鐘」は荒れ狂う大波に立ち向かう龍がモチーフ。ケヤキ材でできた大波に龍が彫られた鋳物の鐘がつるされている。構想とデザインは同研究所で手掛け、波と龍の彫刻は都内在住の若手芸術家に依頼した。鐘は同研究所独特の高く、澄んだ音が魅力だ。

 大手デパート三越を通して販売したところ、9月に1作目、12月に2作目が売れ、現在は2件の予約があるという。上島代表は「コロナ禍でも前を向いて進もうとする思いの表れでは」と分析する。

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