【有馬記念】サラキア大外強襲2着!有馬初の牝馬ワンツー

度肝を抜いたサラキアの鬼脚。引退するのがもったいない

【第65回有馬記念(27日=中山芝内2500メートル)】1、2番人気で決まりそうな情勢を、一気に覆したのは11番人気のサラキアだった。道中は後方の13番手でじっくりと脚をため、直線では外から怒とうの追い込みで鋭伸。レース上がりを1秒2も上回る35秒4の強烈な末脚で勝ち馬クロノジェネシスにクビ差まで迫り、フィエールマンをクビ差で差し切った。

今回が初コンビとなった松山は「向正面でペースが上がった時に、あえて動かずにこの馬の競馬に徹しました。すごくいい伸び脚を見せてくれましたし、2着は悔しいですね」とストレートに惜敗を振り返った。池添学調教師は「シビれました…。惜しかったけど、強い相手に頑張ってくれました」と健闘をたたえた。

3歳時は2冠に出走できず、秋華賞は4着。その後もなかなか軌道に乗れなかったが、今年の夏に“覚醒”した。8月の小倉日経オープンを勝つと、続くGⅡ府中牝馬Sで重賞初制覇。そしてGⅠエリザベス女王杯では上がり最速33秒7で猛然と追い込んで勝ち馬ラッキーライラックから0秒1差の2着。自慢の決め手に磨きがかかり、ようやく“完全体”となった。同期のラッキーライラックとともに、この有馬記念がラストランと宣言して臨んだ一戦。引退は残念だが、最後の最後で強いアーモンドアイ世代の一角であることを強烈に証明した格好だ。

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