【フィギュア】〝かなだい〟激動の一年が終幕 目指す22年北京五輪「1枠」は取れるのか

表彰式でハグの真似をする(左から)村元哉中、高橋大輔、小松原美里、小松原尊(代表撮影)

フィギュアスケートのアイスダンス〝かなだい〟こと村元哉中(27)&高橋大輔(34=ともに関大KFSC)組が激動の2020年を終えた。

シングルで世界を取った高橋は今年から未知なるアイスダンスに転向。パートナーの村元とともに新たな挑戦をスタートさせたが、新型コロナウイルスという難敵が出現した。ただでさえ過酷な道はさらに険しくなった。ようやく実戦デビューした先月のNHK杯では3組中3位の最下位。実績上位の〝夫婦カップル〟小松原美里(28=倉敷FSC)&ティム・コレト(29、小松原尊)組が順当に優勝を飾った。

見つかった課題を修正し、巻き返しを誓った全日本選手権(長野・ビッグハット)では5組中2位と好成績を収めたが、高橋はまたもミスを犯した。優勝した小松原カップルとは大きく水をあけられている状況だ。

高橋は2022年北京五輪を「最終目標」と位置付ける。だが、出場には小松原カップルと「1枠」を競わなければならない。両カップルは互いの「差」をどう考えているのか?

「難しい質問ですね」と苦笑したのは小松原美里。そもそも彼女は同郷(岡山)の高橋に憧れてフィギュアスケートを始めた。まさか同じ種目でライバルになるとは思わなかっただろう。NHK杯、全日本と戦ってきた小松原は「大ちゃんたちとはいつも滑る順番が近すぎて全く見られないという状況(笑い)」と言いつつ、やや答えづらそうに話しだした。

「外からの差というのは全く分かりません。自には点数やプロトコル(ジャッジスコア)で見ることしかできない。ウカウカしていたら誰にでも負けてしまうし、自分にも負けちゃうので。尊敬はしているし、チャンピオンとして負けちゃダメだった思っているんですけど、差がどうとかは全然、分かりません」

そう言って、苦笑交じりに「すみません」と漏らした。
それを受けて高橋は「やっぱり経験値って部分で僕らはまだ1年もたっていないので。小松原組は長年組んでいて、演技の雰囲気として一つひとつまとまっていると感じる。僕たちはこれから進化させていくしかない。短い期間ですけど、なるべくシンクロできるようなカップルになっていくしかないと思います」と語った。

結成直後から目標に掲げる夢舞台。避けては通れぬライバルとの「名勝負」は2021年、本格的にスタートする。

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