GG賞10度のアンドリュー・ジョーンズは殿堂入りに相応しいのか?

外野手として歴代3位タイとなる10度のゴールドグラブ賞を獲得したアンドリュー・ジョーンズは今回のアメリカ野球殿堂入り投票が4度目の挑戦となる。最初の2度はいずれも得票率7%台にとどまっていたが、前回は19.4%にジャンプアップ。今回を含めてあと7度挑戦できるため、殿堂入りのチャンスは大いに残されている。メジャーリーグ公式サイトではクリス・ハフト、ビル・ラッドソン、マーク・ボーマンの3人がジョーンズの殿堂入りについて議論を繰り広げた。

ジョーンズはブレーブスで12シーズンを過ごしたあと、ドジャースで1年、レンジャーズで1年、ホワイトソックスで1年、ヤンキースで2年プレー。メジャー17年間で2196試合に出場し、通算1933安打、打率.254、434本塁打、1289打点、152盗塁、OPS.823をマークした。打撃タイトルは2005年の本塁打王&打点王だけだが、オールスター・ゲームに5度選出され、シルバースラッガー賞を1度(2005年)、ゴールドグラブ賞を10度(1998年から2007年まで10年連続)受賞している。

全盛期の活躍は素晴らしく、1998年から2006年までの9年間で打率.270、平均35本塁打、OPS.860を記録。この期間の平均WAR6.1を上回っているのはアレックス・ロドリゲス(7.8)とバリー・ボンズ(7.5)の2人だけである。しかし、ハフトは「打撃成績の急激な低下は無視できない」と指摘。ラッドソンも「最後の6年間は打ち方を忘れてしまった。400本塁打と1000打点をクリアしているが、打率が低すぎる」と述べ、急激な衰えによって通算成績が伸びなかったことをマイナス材料に挙げている。

その一方でジョーンズの守備力には極めて高い評価が与えられており、ボーマンは「オジー・スミスは殿堂入りしている。捕手として最高クラスの守備力を持つイバン・ロドリゲスも殿堂入りした。オマー・ビスケルもジョーンズより高い得票率を記録している。ジョーンズの守備はもっとリスペクトされるべきだ」と主張。ハフトも「ウォーニング・トラックとフェンスのあいだで彼より優れた中堅手を見たことがない」と守備面の評価についてはボーマンに同調している。

殿堂入りの投票権を持つハフトは今回「ジョーンズには投票しない」と明言。ラッドソンも「殿堂入りには値しない」との主張であり、「ジョーンズは殿堂入りすべき」と考えているのはボーマンだけだった。今回の殿堂入り投票は現時点で71人分の投票先が判明しており、ジョーンズの得票率は39.4%となっている。徐々にではあるが、ジョーンズの守備力が球史に残るレベルであったことを評価する者が増えつつあるようだ。

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