【空手】男子組手の金メダル候補・西村拳「調整できる期間が増えた」五輪延期でもプラス要素

西村拳

来夏の東京五輪で初めて採用が決まった空手で金メダル候補として注目を集めるのが男子組手75キロ級の西村拳(24=チャンプ)だ。

福岡出身という九州男児の魅力は、180センチの長身を生かした蹴り。2016年に世界のトップ選手が集うプレミアリーグ(PL)ハンブルク大会(ドイツ)で初優勝を果たすと、18年世界選手権(スペイン)で銅メダルを獲得した。関係者の評価も高く、男子日本代表の林晃監督(59)は「ここ一番での強さがある。技術的に突きも蹴りもある。また、突き技も非常にスピードと伸びがある」と太鼓判を押す。

ただ、当然海外勢も西村を徹底マークしており、得意の蹴り技などが徹底的に研究されているという。それでも林監督は「研究はされるが、私はそこは意識し過ぎない方がいいと思う。変に意識をしてしまうと、いいところが出なくなってしまう」と分析。その上で「蹴りに頼り過ぎてしまうと、どうしても突きがおろそかになってしまう。やはり突きをベースに勝負していくことが重要になってくる。相手にとって西村の突きが警戒心を与えるような突きになれば、蹴りの方もチャンスが出てくる」とアドバイスを送った。

西村もかねて「突き技だけや蹴り技だけに偏らないようにしたい」と総合力の向上に努めてきた。新型コロナウイルス禍の影響で東京五輪は21年に延期となったが「調整できる期間が増えたと思っているので、これから1年間しっかりと力を蓄えていこうと思っている」と気持ちは折れていない。「最終目標は東京五輪で金メダル」と意気込む空手界のプリンスに迷いはなさそうだ。

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