池江璃花子 4位は悔しいけど…「思ったよりも早いタイムだった」

取材を前に笑顔を見せる池江(代表撮影)

競泳の日本学生選手権初日(1日、東京辰巳国際水泳場)、女子50メートル自由形決勝は白血病のため長期休養していた池江璃花子(20=ルネサンス)が25秒62で4位に入った。

本人も驚きを隠せなかった。プールに勢いよく飛び込んだ池江はほぼ出遅れることなく上位に食らいつくと、後半からはギアが上げたかのような泳ぎでフィニッシュ。3位とはわずか0秒04差で表彰台まであと一歩という結果に「正直、(復帰後してからの自己)ベストは確実に出ると思っていたんですけど、思ったよりも早いタイムだった」と振り返った。

この舞台を目指していた。昨年、闘病中だった池江は一時退院してスタンドから日大選手の姿を見守ることはできたが「応援だけで1点も稼げなかった」と学校対抗レースに参戦できず、今年にかける思いは人一倍強かった。練習再開後は今大会に照準を合わせて8月29日の東京都特別大会で594日ぶりとなる実戦に出場。26秒32で参加標準記録を突破し、同種目のランキング17位で40人の出場枠に入った。

そして迎えたこの日は予選で25秒87をマークするなど、さらにタイムを上げ「予選で6番(位)通過して、1点でも多く取ってやろうという気持ちだった。(決勝で)4番(位)という結果は正直悔しいんですけど、今の段階では上出来かな」と自己評価した。

2024年パリ五輪を大目標に掲げる池江にとって〝短期目標〟に掲げていたのが今大会。これで月延期となった日本選手権の標準タイムも上回り、気になる今後は「予定はまったく決まっていない。日本選手権は出ずに次に向けるのか、出て自分のまたそのときの状況を把握するのか。今やることはとにかく泳ぎ込んで自分の実力を戻していくこと」と未定だという。

それでも、池江の「第2の水泳人生」は始まったばかり。焦らず自分のペースで復帰ロードを歩むつもりだ。

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