東山紀之主演「大岡越前スペシャル」で後輩・室龍太が新米同心役! くしゃみと江戸弁に悪戦苦闘!?

東山紀之さん主演の「大岡越前スペシャル」(NHK BSプレミアムほか)の第3弾が、2021年の元日に放送されます。第3弾は病魔に侵され余命いくばくもない身でありながらも、遊女・櫻木太夫(本仮屋ユイカ)の復讐のために刃を振るう浪人・月嶋左内(東山紀之)と、江戸南町奉行の大岡忠相(東山紀之)がうり二つであることから物語が展開します。もちろん、東山さんの1人2役が見どころなのですが、室龍太(ジャニーズJr.)さんが新米同心・相良大介として登場することも見逃せません。「大岡越前」への出演が今回で2度目となる室さんから、役柄への思いや先輩・東山さんとの撮影エピソードなどを伺いました!

――以前、「大岡越前」の第5シリーズに登場されたそうですが、今回の台本を初めて読んだ時はいかがでしたか?

「結構セリフがあるなと思いました(笑)。初めて『大岡越前』に出た時は、シリーズの中の1話だけだったんです。今回の『大岡越前スペシャル』は、『めっちゃしゃべるし、同心なんや!』と思って、あらためてことの重大さに気付いたというか。本当にありがたいなと思いました」

――撮影中、東山さんとの関係性はいかがでしたか?

「もちろん先輩・後輩の間柄は変わりません。でも撮影に入ったころと比べると、よくお話してくださるようになりましたし、いじってもらえるようになりました(笑)。実家が飲食店を経営しているんですけど、東山さんがいじってきて…。この前も稽古場が隣だったので、あいさつをしに行ったら『おー! バーのかあちゃん元気?』って…(笑)。そういうことが定番になりつつあるのは覚えてもらえているということなので、うれしいです」

――「大岡越前」は長いシリーズでファミリー感がある現場だと思うのですが、どうやってなじまれたのでしょう?

「本来なら、同心役の人々は同心部屋で一緒にいるんですけど、(コロナ禍のため)今はバラバラに分かれているんです。でも、普段は全然違う棟にいる金山(一彦)さんが、休憩時間などにディスタンスをとりながらも、しゃべりに来てくださったので、自然となじめました」

――皆さんでどんなお話をされていたんですか?

「金山さんはダーツが好きで、大岡越前の同心陣や居酒屋たぬきの女中・お秀役の亜呂奈さんも参加しているダーツクラブを結成されているんです。今は難しいですけど、時間が合えば一緒に行こうと誘ってもらったりしました。ほんまに家族みたいな雰囲気です」

――和気あいあいとした現場なんですね。今回、室さんが演じる相良大介は新米同心ですが、どんなキャラクターだと思われますか?

「一番若いので、何も知らない、右も左も知らない“ザ・新人”だと分かるような感じで臨みました。周りの人たちは何年もやられている熟練の方たちばかりなので、そこに勝つとかではなく、相良大介としてハキハキしゃべって新人っぽさを出していこうと思いました」

――大介と忠相が御用部屋で言葉を交わすシーンを撮影した時の感想を教えてください。

「完パケを見たら、顔面がめっちゃ緊張していました(笑)。東山さんからは『初々しさがある』と良いように言っていただけましたが、できることなら、もう1回撮り直したいです。でも、これを踏まえて次回は成長していたいと感じました」

――大介を演じるにあたって意識したことはありますか?

「江戸弁のイントネーションです。それと、新人でお奉行にかわいがられて期待されている新人という感じの一生懸命さを出してほしいと言われていたので、それを心掛けました。また大介は、頻繁にくしゃみをするキャラクターなのですが、撮影直前にそのキャラを監督からいただいたんです。今回は監督の要望でくしゃみをしていましたが、もし次回あるとしたら、自分からくしゃみをする場面を作り出したいですね」

――でも、くしゃみをするのって、難しいですよね?

「そうなんですよ! 難しいんですよ! 人間ってくしゃみをしようと思ってしないじゃないですか。だから、くしゃみの撮影が終わった後に、自宅でこよりを使ってくしゃみを出そうとしたんですけど、くしゃみが出なくて…無理なんですよ。東山さんが『加藤茶さんのくしゃみを見た方がいい』とおっしゃっていたので、自然なくしゃみを出すために、早速、見ようと思っています」

――先ほど、江戸弁のイントネーションを意識していたとおっしゃっていましたが、どうやって江戸弁を覚えましたか?

「一度だけ江戸弁の勉強の時間がありまして、そこで先生から聞いたことを覚えたんですけど、期間が空いてしまって…。撮影はその練習だけで臨んだんですよね。実際に話すと、ところどころ違っていたので難しいなと。自分が覚えていた音と違う音が出てくるんですよ」

――具体的には、江戸弁のどういったところが難しかったのでしょうか?

「名前のイントネーションが難しくて…。言葉遣いは、ほかの人の演技を見て練習ができるんですけど、名前って役によっては言わないので…。今後、また名前を言う場面が来てしまった時に大丈夫かなと心配しています」

――それでは、室さんが一番好きなのはどのシーンですか?

「東山さんが屋敷で大立ち回りをして戦うところが僕は好きです。立ち回りが本当に好きなんです。しかも東山さんと東山さんが戦っているという『何を見ているんやろう?』と錯覚するくらい…。でもそれぞれ役が違うから顔つきなどを見て楽しむこともできるんですよね。しかも撮っていたところも見ていたので、『こういうふうになっているんや』と実感もできたので、さらに楽しかったです。もし立ち回りができるとしたら、東山さんと戦うのは絶対に無理なので…(笑)。後ろで一緒に戦えたらなと思います」

――室さんは時代劇がお好きとのことですが、時代劇ならではの苦労や発見したことを教えてください。

「所作には苦労しました。舞台では注意をされなかったというのもあるんですけど、待っている時に刀に手を置くのはNGでありえへんらしくて。人を斬りに行く時に使うものだから、手を置かないようにということを最初の撮影で教えてもらいました。ほかには、わらじの履き方ですね。僕は履かせていただいていたんですけど、履かせてくださる人によって履き方が違うので、一通りではなく、いろんな履き方があるんだなと。それと、十手の持ち方や身分によって十手の長さが違うことも聞きました。僕は和のものが好きで、本当に知らなかったことを教えてもらったので、とてもためになる現場でした」

――今作のドラマを通して、俳優として成長できたなと思ったところはありましたか?

「成長できた実感はないですね。でも、名だたる方たちと共演させていただいたのは俳優としてはいい経験になりました。自分の出番がない時は、いろんな人のシーンをたくさん見ることができましたし。今後、別の時代劇に出していただくときに、それができていたら『大岡越前で学んだことがここで生かせている』と実感できると思うので、学んだことを忘れないようにしたいです」

――演技の部分では、どんな刺激を受けましたか?

「その年齢だからこそ出せる渋みに憧れているんです。僕は基本的に声が高いので、低い声で大人っぽく抑えた芝居をしたことがなくて。東山さんはそういうお芝居が多いので、これからの自分に役立てたいと思って拝見していました」

――もし次回があるとしたら、大介にはどうなっていてほしいですか?

「くしゃみは、絶対になくしてほしくないです!(笑)。大介の特徴として、くしゃみする同心って覚えてもらいやすい設定なので、もうちょっとちゃんとしたくしゃみができるように頑張っておきます。くしゃみは全部で2回していて、本当は撮り直したい! 本当は見てほしくない! でもこれも大介なので…」

――お正月に放送されるということで、作中でも大岡家が雑煮を食べているシーンなどが登場しますが、室さんはこれまでどんなふうに年末年始を過ごされていましたか?

「2020年はKinKi Kidsさんのカウントダウンライブに行っていました! 毎年、ライブに行っているか、テレビでジャニーズカウントダウン(フジテレビ系)を見ているかですね!」

――最後に見どころをお願いします!

「元日にふさわしい内容になっていると思うので、新年を迎えた後に『大岡越前』を見て、勇気や元気、笑顔など、いろいろ感じ取って新しい年を過ごしていただけたらなと思います」

――ありがとうございました!

取材が始まる前に「なんでも聞いてください! でも年収だけは言えないです!」と場を和ませてくださった室さん。楽しい空気でスタートした取材は終始、笑いに包まれていました。そんな室さんが大変苦労したというくしゃみと江戸弁にも注目してドラマをご覧ください!

あらすじ

正月に吉原へ足を運び、花魁道中の見物に行った岡っ引きたちが忠相(東山紀之)を見かけ、うわさになります。その後、連続人斬り事件が発生し、目撃者から下手人は忠相だと名指しされてしまいます。一方、忠相にそっくりな浪人・月嶋左内(東山紀之・2役)は吉原の妓楼で用心棒をしており、労咳に侵されていました。左内の身を心配する櫻木太夫(本仮屋ユイカ)は、自分の敵を左内が討とうとしてくれているのだと見抜いており…。

【番組情報】

BS新春時代劇「大岡越前スペシャル~初春に散る影法師~」
1月1日
NHK BSプレミアム・NHK BS4K 午後9:00~10:30

NHK担当 K・H

© 株式会社東京ニュース通信社