大谷は二刀流復活、藤浪は先発復活なるか? 鈴木誠、佐野ら94年世代の明暗

DeNA・佐野恵太、エンゼルス・大谷翔平、阪神・藤浪晋太郎、広島・鈴木誠也(左から)【写真:荒川祐史、Getty Images】

エンゼルス大谷は二刀流、阪神藤浪は先発投手としての真価が問われる

エンゼルスの大谷翔平投手を筆頭に、1994年4月~95年3月に生まれた同世代には注目される選手が多い。侍ジャパンの4番として期待される鈴木誠也外野手や、高校時代から人気の高い藤浪晋太郎投手も同世代だ。そんな“大谷世代”の主な選手の今季を振り返っていきたい。

94年世代のトップを走ってきたエンゼルス・大谷は今季中の二刀流復活が期待されたが、シーズン序盤に右前腕筋を痛めて打者に専念。投手では2試合登板、0勝1敗、防御率37.80。打者としても44試合出場、打率.190、7本塁打、24打点に終わった。マドン監督は来季も二刀流として期待しているが、メジャー4年目は真価が問われるシーズンとなりそうだ。

阪神・藤浪も来季中の完全復活が期待される。プロ1年目から3年連続で2桁勝利を挙げた右腕は19年に1登板止まり。今季は3月に新型コロナウイルスに感染し、6月の開幕は2軍スタート。7月下旬に1軍昇格して先発では1勝5敗、防御率5.87と結果を出せなかったものの、9月下旬から中継ぎとして結果を出した。自己最速を162キロに更新し、24試合登板(11先発)、1勝6敗7ホールド、防御率4.01。シーズン終盤には先発復帰しており、やはりスターターとして結果を残したい。

16年ドラフトで5球団が競合したソフトバンク・田中正義投手は今季右肘痛で出遅れ、シーズンの大部分をリハビリ組で過ごした。1軍登板はなかったものの、10月のウエスタン最終戦で156キロをマーク。21年はプロ初勝利はもちろん、本来のポテンシャルの高さを発揮したい。

トラブル続きの西武・相内は戦力外通告&現役引退、巨人・吉川&松原は主力としてリーグV貢献

ユニホームを脱ぐ選手もいる。西武の相内誠投手は緊急事態宣言中の4月に同僚の車でゴルフに出かけ、速度超過が判明したことで対外試合出場禁止の処分を受けた。入団後には無免許運転や未成年飲酒。プロ通算21登板で未勝利に終わり、このオフに戦力外通告、現役引退となった。

一方、結果を残した選手は多くいる。広島・鈴木は今季118試合に出場し、打率.300、25本塁打、75打点。5年連続の打率3割超えを果たし、5年連続のベストナインに輝いた。守りでも2年連続4回目のゴールデングラブ賞を受賞。来夏の東京五輪でも主軸打者として大きな期待がかかる。

大きくブレークしたのはDeNA佐野恵太内野手だろう。4番&キャプテンを任され、106試合出場して打率.328、20本塁打、69打点。首位打者のタイトルを獲得し、ベストナインにも選出された。阪神の大山悠輔内野手は開幕スタメンこそ外れたものの、打率.288、28本塁打、85打点。タイトル獲得こそならなかったものの、巨人・岡本と熾烈な争いを演じた。阪神・近本光司外野手は全試合出場して打率.293を記録。31盗塁を決めて2年連続の盗塁王に輝いた。

巨人・吉川尚輝内野手と松原聖弥外野手は主力としてリーグ優勝に貢献した。21年は26、27歳とプロ野球選手として脂が乗ってくる。2021年の飛躍を大いに期待したいところだ。(Full-Count編集部)

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