日本代表の森保一監督 東京五輪で金目指す「間違いなく前進できている」

日本代表・森保監督(左)となでしこジャパン・高倉監督

2021年シーズンに向けてサッカー日本代表の森保一監督(52)が、報道各社の合同インタビューに応じた。新型コロナウイルス感染拡大の影響で激動だった20年シーズンを振り返りながら、3月に再開するカタールW杯アジア予選と延期となった東京五輪にどう臨むのか。連載第1回は現状について語った。

――新型コロナ禍で活動が中断した今年を振り返って

森保監督 (昨年)10、11月のA代表の活動ではインテンシティーが高く、個人戦術もチーム戦術も高いレベルで試合ができた。チーム力の底上げになり、今後の成果と課題をはっきりさせて目標に向かっていくには、すばらしい対戦相手と組んで頂いた。最後の強化試合で得た課題、やれたことをさらに改善して来年の五輪、W杯予選に向けて結果を出せるようにつなげていきたい。

――20年の五輪と21年にやる五輪の違い

森保 20年に行われる予定が21年になった。各選手が1年間大きな経験を積んで大会に臨める。さらにレベルアップした個の力、チーム力を持って東京五輪に臨める。楽しみにしていただきたい。延びたことをすべてポジティブに変換し、チーム力をより上げていける。A代表の活動で五輪年代の選手たちが7人招集できている。それにプラスしてオーバーエージの選手のことを考えても、A代表の活動の中でも五輪に向けてプラスになる活動ができている。本番に向けて間違いなく前進できている。来年金メダルという結果を目指して、目標をつかめるように準備したい。

――21年に公私でやりたいことは

森保 五輪もA代表も結果を出したい。そのために全力を出したい。プライベートは21年の年末に旅行ができれば。コロナが終息してみんなが幸せと思える世界になったら家族と旅行に行ければと。場所は決めていない。温泉とかゆっくりつかりたい。

――健康面は

森保 元気だけが取りえなので、常に元気でいられている。ただ、老眼はきているし、耳も遠くなってきている。今後皆さんからの質問は聞こえないように振る舞いたい(笑い)。

――日本代表は外国に行って制限がある中で活動した。コロナ禍で活動する大変さは

森保 制限があるので集中力を保つのは大変。(昨年)10、11月の活動を見ていると、感染対策しながら3密を避けるという基本的なことを自然とできていると思った。大変なことはあるが、少しでもリフレッシュしながらストレスをためずに、集中する時のオンのスイッチと、ゆるめるオフのスイッチの使い分けができるのも一流の条件。五輪に向けてもA代表活動においても、ストレスが少なくいいパフォーマンスができるように、いいシミュレーションができていた。

――本番に向けていい準備の機会だった

森保 マネジメントしている私は、基本的な感染対策をするだけで、難しいとは思っていない。それよりスタッフ、メディカルスタッフなどいろんな方々が感染対策をして環境づくりをしてくれるほうがすごく大変。移動の動線やスタジアムで、少しでもリスクを下げるために考えてくれている。

――本来ならできたなと思うことは

森保 選手の場合、話をしないといけないので、マスクをして話すと言葉がはっきり伝わらないことがあるので、そこは伝わるようにしないといけない。マスクを外して距離を取ってミーティングすることもあるが、声が大きくなったり、強くなったときに飛沫が飛んでいるとよぎることがあるので、集中力が途切れないように伝え方を工夫しないといけない。(続く)

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