エース獲得を目指すエンゼルスだが… 選択肢は減る一方

メジャーリーグでは今オフ、ホワイトソックスがレンジャーズからランス・リン、パドレスがレイズからブレイク・スネル、カブスからダルビッシュ有の獲得に成功した。「エンゼルス以上にエースを必要としているチームはない」と言われるなか、エンゼルスがエースを獲得するための選択肢は減りゆく一方だ。メジャーリーグ公式サイトはエンゼルスに好投手をトレードで獲得するための交換要員が不足していることを踏まえ、選択肢がトレバー・バウアーに限られつつあることを伝えている。

エンゼルスはマイク・トラウトが新人王を受賞した2012年以降の9シーズンでポストシーズンに1度しか出場していない。トラウトが9年連続でMVP投票トップ5に名を連ね、MVPを3度受賞、2位にも4度ランクインしているにもかかわらず、投手陣がチームの足を引っ張るシーズンが続いている。昨オフはゲリット・コールの獲得に乗り出したものの失敗。今季の先発防御率はリーグワースト2位の5.52に終わった。

レッズがソニー・グレイとルイス・カスティーヨの両右腕のトレードを検討していることが報じられているが、ともに複数年保有できる優秀な先発投手であり、獲得には莫大な対価が必要。よって、マイナーの有望株が充実しているとは言えないエンゼルスが獲得するのは難しく、エース獲得のためにはフリーエージェント市場に大金を投じ、バウアーを獲得するしかないというわけだ。

もちろん、エンゼルスがエース1人ではなく、先発2~3番手クラスの投手を複数獲得する可能性もあるが、近年のエンゼルスはこのやり方で失敗が続いている。2019年シーズンのトレバー・ケーヒル(1年900万ドル)とマット・ハービー(1年1100万ドル)、2020年シーズンのフリオ・テーラン(1年900万ドル)などがその例だ。

ペリー・ミナシアンGMは先発2~3番手クラスの投手を複数獲得するやり方に否定的な見解を示していたが、エース獲得の選択肢が限られつつあるなか、どのような選択をするのだろうか。

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