2021年に登場するJR東海 新型車両 315系、特急形 HC85系のスペックと走り

東京圏でことし2021年に東京メトロ17000系・18000系、JR東日本E131系、FV-E991系 HYBARI などが走り出すなか、名古屋エリアでは315系が登場する見込み。特急形HC85系もプロトタイプが試験走行を続けている。

JR東海の新型車両 315系は、2021年度から2025年度にかけて352両を新製。名古屋・静岡都市圏を中心に、中央線、東海道線、関西線などに順次投入。

この315系が、JR東海にいる国鉄211系をすべて置き換え、JR東海保有車両が「すべて会社発足以降に新製した車両になる」という。

基本仕様の最高速度は、211系より20km/hアップの130km/h。座席はロングシート。

在来線通勤型新型車 315系に載る新技術のひとつが、同社としては在来線車両初の非常走行用蓄電装置。停電時などは架線からの給電なしで最寄り駅まで自走できる。

また、自動列車停止装置 ATS-PT(JR東海ATS-P:Automatic Train Stop -P)や、モーター駆動用電力変換装置を2重系化。いっぽうにエラーがでてももうひとつがフォローできるフェールセーフ機能を強化する。

さらに、車両・地上間データ通信装置や振動検知装置を導入し、異常発生の迅速検知やメンテナンス性向上も図っている。

台車は、次期特急車両 HC85系と同じボルスタレス台車・タンデム式軸箱支持方式を採用。そのJR東海 新型特急車両のスペックが、これ↓↓↓

クモハ+モハ+モハ+クモロのエンジン付き電車、HC85系

国内初、モータと発電機に全閉式永久磁石同期機を同時採用した鉄道用ハイブリッドシステムを載せるJR東海 新型特急車両 HC85系。

HC85系は、HC=Hybrid Car という文字通り、エンジンで発電した電力とバッテリに充電した電力とを組み合わせ、電気モータを回して走るハイブリッド方式を採用した新型車両。

このHC85系が、高山線 特急ひだ や、関西線・紀勢線 特急 南紀 などを担うキハ85系気動車を置き換えていく。キハ85系は、1988年から日本車輌製造・新潟鐵工所・富士重工業がつくったディーゼルカー。80両が名古屋車両区にいる。

JR東海 新型特急車両 HC85系は、このキハ85系が担う非電化区間などを、電気モータで走る新形式。電子制御式 直噴式 直列6気筒ディーゼルエンジンを1車両に1基搭載し、336kWを生み出す。

このディーゼルエンジンと全閉式永久磁石同期発電機で生み出された電力が、全閉式永久磁石同期モータ(PMSM)を回し、非電化区間を走る。

こうした仕組みから、HC85系4両編成の各車記号はクモハ85-0、モハ84-0、モハ84-100、クモロ85-0 という表記に。

4両すべてが電動車で、1両の片側にエンジン1基、反対側の台車にモータ2基を載せ、2軸をまわす。

こうした積載構成から、4両が通過するさいは、モータ、ディーゼルエンジン、モータ、ディーゼルエンジン、モータ、ディーゼルエンジン、モータ、ディーゼルエンジン(またはその逆)と聞こえてくる。

空車重量はクモハ85-0 が41.6トン、モハ84-0 が39.2トン、モハ84-100 が38.8トン、クモロ85-0 が42.3トン。

定員はクモハ85-0 が56人、モハ84-0 が50人、モハ84-100 が68人、クモロ85-0 が36人。

最高速度はキハ85系と同じく120km/h。起動加速度は2.1km/h/s。減速度は4.3km/h/s(常用最大・非常)。

保安装置は自動列車停止装置 ATS-PT(JR東海ATS-P:EB機能付き)とATS-STを載せる。

―――試験走行を重ねる HC85系は、こうした特長のほか、315系電車と同じく、振動検知装置や、車両・地上データ通信を載せ、さらに2重防振構造、防音2重床構造、低騒音型WN継手、低騒音型歯車装置、ワイパ2重系化といった技術を積み、営業運転へむけてテストランを重ねている。

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