巨人・丸の恐るべき〝選曲眼〟 鬼滅フィーバー前から初志貫徹の「LiSA愛」

巨人・丸(左)とLiSA

セ・リーグで〝ひとり5連覇〟を達成した巨人・丸佳浩外野手(31)が「LiSA愛」を貫いた。丸は昨季、登場曲を「鬼滅の刃」主題歌を歌うLiSAの楽曲で統一したまま完走。テレビ出演時に歌姫本人から勧められたこともあったが、「鬼滅の刃」が大ブームとなる前から使用しており、あらためて丸の〝選球眼〟が証明された形だ。

今やすっかり社会現象となった「鬼滅の刃」でLiSAは2019年のテレビ版主題歌「紅蓮華(ぐれんげ)」が大ヒット。同年の「NHK紅白歌合戦」に初出演を果たした。昨年10月から公開された映画版「鬼滅の刃 無限列車編」も大人気で、同じく主題歌「炎(ほむら)」もオリコン1位を獲得した。

一躍、国民的歌手となったLiSAは岐阜出身で「ビシエド好き」を公言する竜党。昨年3月に「マコトシヤカ」がCBCテレビ・ラジオ中継のテーマソングとなると8月には「中日応援ソング」としてMVも配信された。11月4日の中日―DeNA戦(ナゴヤドーム)ではユニホーム姿で始球式を行うなど、「竜の歌姫」として定着した。

だが、自他ともに認める「球界一のLiSAファン」が丸だ。アニメ好きで知られる丸は10年のメジャーデビュー以降、アニソン界で活躍する歌姫を早くからチェック。広島時代の18年にはLiSAの「Rising Hope」「Catch the Moment」を登場曲に使用している。

さらに昨年3月15日放送の日本テレビ系「行列のできる法律相談所」に丸がゲストで出演した際、VTR出演したLiSA自ら「ハウル」を登場曲にと勧めた。これに丸は「ビックリ。ドキドキしました」と快諾し、20年は全4曲をLiSAで統一していた。球団関係者は「シーズン途中からLiSAさんはすっかり中日色が強くなったけど、丸選手には途中で曲を変更する考えはまったくなかった。長年のファンだったこともあっただろうけど、貫いたのは本当にすごい」と証言する。

選手にとって登場曲は打席に向かう気分を向上させる大事なファクター。ファンと一緒に盛り上がることで球場の雰囲気も大きく変える。登場曲効果もあってか、丸はチーム唯一の全試合出場で打率2割8分4厘、27本塁打、77打点と活躍。チームのリーグ2連覇、自身のリーグ5連覇を達成した。

例え当人がライバル球団のファンを公言していても、好きな楽曲に変わりはない。初志貫徹の丸の姿勢は今後も変わることはなさそうだ。

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