チームの躍進に繋がる若手の台頭 2021年、ブレーク期待の12球団の新星は?

ヤクルト・奥川恭伸、中日・石川昂弥、広島・小園海斗(左から)【写真:荒川祐史】

巨人横川はローテ入り期待、阪神井上&中日石川はレギュラー争いに食い込めるか

年が明けて2021年が到来した。昨季はソフトバンクが4年連続日本一に輝き、セ・リーグは2年連続で巨人が制した。果たして今季はどんな年になるだろうか。

それぞれの球団で期待されるのが、若手選手の台頭だ。1軍に食い込んでくる選手が出てくるか、レギュラーやローテを奪い取る若い力が出てくるか、はチームの戦力の大きな底上げに繋がる。

そこでここでは12球団で台頭が期待される若手をピックアップ。編集部が注目したいブレーク期待の若手を各球団からそれぞれ1人ずつ挙げてみたい。

○セ・リーグ
巨人:横川凱投手
190センチ、95キロの体格を誇る3年目の左腕。昨年は11月4日の広島戦でプロ初登板を果たすと、11月8日のヤクルト戦でプロ初先発し5回3安打1失点と好投した。2018年の春夏甲子園を連覇した大阪桐蔭のメンバー。9勝した戸郷翔征とは同級生で左右の柱として期待したい投手だ。

阪神:井上広大外野手
2019年ドラフト2位で入団し、今季が2年目となる大砲候補。昨季終盤には1軍昇格を果たし、1軍の舞台で経験を積んだ。ウエスタン・リーグではリーグ2位タイの9本塁打を放ち、潜在能力はピカイチ。持ち前の長打力で出場機会を増やしたい。

中日:石川昂弥内野手
3球団競合の末に中日が獲得した次代の大砲候補。ルーキーイヤーは7月12日の広島戦で高卒新人一番乗りで1軍デビューを果たして初安打もマークした。1軍では14試合に出場し、36打数8安打。中日の内野はレギュラーが固定されつつあるが、持ち前の打棒で風穴を開けられるか。

ソフトバンクの杉山は千賀も認めるポテンシャルの持ち主

DeNA:森敬人内野手
桐蔭学園高から2019年ドラフト1位で加入。昨季はイースタン・リーグ58試合に出場して打率.210、2本塁打、13打点だった。10月下旬には1軍デビューを果たした。俊足で潜在能力も抜群。“ポスト梶谷”としてリードオフマンへの期待がかかる。

広島:小園海斗内野手
ルーキーイヤーの2019年は59試合に出場し打率.213、4本塁打16打点をマーク。2年目の昨季は1軍出場わずか3試合に終わった。それでも、2軍では66試合で打率.305、1本塁打20打点、11盗塁と結果を残した。FA権を行使せず残留した田中広の“壁”を乗り越えることはできるか。

ヤクルト:奥川恭伸投手
3球団競合の末、2019年のドラフト1位で入団。1年目の2020年は2月の新人合同自主トレで右肘に炎症を起こして出遅れたものの、イースタン・リーグでは7試合に登板し1勝1敗、防御率1.83、自己最速タイの154キロも計測した。将来のエース候補としてかかる期待は大きい。

○パ・リーグ
ソフトバンク:杉山一樹投手
2018年ドラフト2位で入団した大型右腕。昨季終盤に1軍で戦力となり、11試合に登板して0勝0敗1ホールド0セーブ、防御率2.16をマークした。最速157キロを誇る剛腕で潜在能力は千賀が絶賛するほど。来季は1年を通して1軍での活躍を期待したい。

ロッテ:古谷拓郎投手
千葉・鎌ヶ谷市出身で習志野高でエースだった地元期待の星。2018年ドラフト6位で入団し、昨季は2軍で7試合に登板して2勝2敗、防御率2.97と成長を遂げた。1軍デビューも果たし、今季は先発ローテ入りの期待がかかる投手の1人だ。

楽天ドラ1早川は新人ながらローテ入り&2桁勝利に期待

西武:井上広輝投手
2019年ドラフト6位で日大三高から入団。昨年11月のフェニックス・リーグで好投を見せた。150キロ超の真っ直ぐに加えて球種も豊富。年齢に似合わずマウンドさばきも落ち着いており、ブレークの予感を漂わせている。

楽天:早川隆久投手
新人とはいえ、アマナンバーワン左腕は1年目から開幕ローテ入り&2桁勝利を期待される。昨年の春季リーグ戦で自己最速を一気に4キロ更新する155キロを計測した。V奪還のためには投手陣の充実がチームとして不可欠で、昨季の広島・森下のような活躍を期待したいところ。

日本ハム:野村佑希内野手
高卒2年目の昨季は開幕1軍を掴み「8番・三塁」でスタメンにも抜擢された。サヨナラ打を放つなど勝負強さを見せていたが、7月上旬に右手小指を骨折して3か月離脱。結局、21試合出場で打率.257、3本塁打18打点。守備に課題を残したものの、右の大砲としてポテンシャルの高さを伺わせた。

オリックス:太田椋内野手
2018年ドラフト1位で入団した有望株。プロ入りからの2年間は怪我に泣いた。2019年は死球で右腕を骨折。今季は1軍初安打、初本塁打を放つなど20試合に出場して打率.259、3本塁打5打点と潜在能力の高さを感じさせていたが、9月に右肋骨を骨折して再び離脱となった。怪我さえなければ一気にブレークする可能性を秘めている。(Full-Count編集部)

© 株式会社Creative2