妻子あり30代男性「テレワークが増え、住み替えを検討 都心or郊外、迷ったらどっち?」

30万組以上の住宅選びの相談に応えてきたスーモカウンターのアドバイザーが、住まいの悩みに答えるシリーズ。最近よくいただくご相談内容をご紹介しながら、お悩み解決につながるポイントを解説します。

【相談者の悩み】
都内の賃貸マンションに住む会社員です。妻と3歳になる息子と3人暮らしです。

コロナ禍で仕事がテレワークのみの日も多くなり、高い家賃を払って狭い都心のマンションに住むことに疑問を持ち始めました。

周囲には、都心近郊外で住宅を購入したり、郊外の賃貸に引っ越したりという人もいて、自分も憧れを持ちつつも、いきなり環境が変わることに対する不安もあります。

また、テレワークが増えたとは言え、一生テレワークと決まったわけではないですし、現状では週に何回かは出社しています。
それに便利な都心の生活も捨てがたく、迷っています。

都心と郊外、迷ったらどっちを選ぶべきなのでしょうか。

【相談者プロフィール】
・本人:夫30代(会社員)
・家族:妻30代(会社員)、子ども(3歳)
・現在の住居:賃貸マンション(70平米、2LDK)

スーモカウンターアドバイザー:コロナ禍でテレワークが導入された方などを中心に、都心から郊外への住み替えを考える人も増えているようですね。相談者さんのように、高い家賃を払って狭い家に住むことへの疑問を持つだけでなく、オンライン会議にも対応できるようなワークスペースを家の中に作りたいという方もいるでしょう。

今回は「都心と郊外」それぞれにマイホームを持つメリット・デメリットを整理してみましょう。


通勤アクセスを重視する人は減少傾向に

都心と郊外の住まいの最大の違いは、通勤アクセスの利便性。ただし、テレワークの日数が増えた方の場合、この点は以前より重視しなくてよいポイントとなるでしょう。

リクルート住まいカンパニーが実施した「2020年注文住宅動向・トレンド調査」によると、注文住宅建築検討者のエリア選びの重視点においても、「最寄り駅からの距離が近い」「職場との距離」といった項目が前年に比べ10ポイント近く低下する結果となりました。通勤に左右されないエリア選びをする方が増えているようです。

また、住まいのつくり方も大きく変わってきます。同じ予算で買える土地の広さがまったく違い、都心の戸建てでは30坪くらいの土地に2階建て以上が一般的ですが、郊外では50坪や60坪といった土地が増えます。庭を広く活用できたり、平屋を建てることも可能になったりと、住まい全体にゆとりが生まれます。

休日の過ごし方も変わります。例えば外食や買い物に出かけるとなると、都心なら徒歩や公共交通機関を使うほうが便利なことも多いでしょうが、郊外では車で出かけるスタイルも増えるでしょう。言い換えれば、車での生活がイメージできないという人は、郊外ライフに慣れるまで時間がかかるかもしれません。

土地の価格を抑えて建物にコストを

都心と郊外で戸建てを建てる場合、先述のように、同じ予算で買える土地の広さが違うため、「お金のかけどころ」も大きく変わってきます。

例えば総予算4000万円で戸建てを建てるとして、土地が2000万円だと建物には2000万円しかかけられないけれど、土地が1000万円なら建物には3000万円かけることができます。このように、予算の配分を変える、または総予算を下げることができます。

将来的に売却する可能性もあると考えると、資産性も気になるところですね。土地は一般的に都心のほうが資産価値も下がりにくいといわれますが、戸建ての場合は、建物を価値あるものにして資産性を高めることができます。

例えば大手住宅メーカー10社では、一定の基準を満たす優良な住宅を「スムストック」と認定しています。この基準を満たし、認定を受けた住まいを建てると、売却時の価値が下がりにくいと同時に、自身が住み続けるうえでの安心感もプラスされます。検討してみてはいかがでしょうか。

7割以上が「仕事用の部屋を作りたい」

テレワークが導入され、現在の都心の住まいに不便を感じて住み替えを考えるようになる人は多いようです。その場合、どういう家なら暮らしやすく、仕事もしやすいか、ということを考える必要があります。

例えばオンライン会議が多い人なら、小さくてもいいからプライベート空間と分断された書斎を持ちたいと考える人も。その場合、都心で部屋数の多いマンションを選ぶ、注文住宅で思いどおりの書斎をつくる、という方法もあります。

注文住宅建築検討者でも、労働時間のうちリモートワークが7割以上の人はリモートワークを意識して「仕事用の部屋」を取り入れたいと考える人が47%いました。

また、仕事をするスペースだけでなく、息抜きのための庭や、趣味に没頭できる場が欲しいという場合は、郊外で注文住宅を建てると、こだわりの空間をかなえやすくなります。

家族にとっての優先順位は

都心にも郊外にもメリットがあり、どちらが向いているかは人それぞれ。オンの日の通勤アクセスを重視するのか、オフの日の過ごし方を重視するのか、ワークライフバランスをどのように考えるのかによっても変わります。

郊外での暮らしに憧れはあったけれど通勤アクセスを考えて二の足を踏んでいた、という人にとって、テレワーク時間が増えたという変化は、住まい選びの選択肢が広がるチャンスにもなるのではないでしょうか。

さまざまなメリット・デメリットを天秤にかけ、家族にとっての優先順位を見直し、検討してみてください。

スーモカウンターなら、同様のご要望やご相談に対して、多くの人がどんな選択をしたのか、というアドバイスもできるので、お気軽にご相談ください。

スーモカウンターは全国170店舗以上(2020年12月末時点)。アクセスのよい立地にあるので、よく利用する駅や自宅の最寄りの店舗をご利用ください。

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