第100回全国高校ラグビー 長崎北陽台 8強ならず 優勝候補にあと一歩

 ラグビーの第100回全国高校大会第4日は元日の1日、大阪府東大阪市の花園ラグビー場で3回戦8試合が行われ、長崎県代表の長崎北陽台はシード校の東海大大阪仰星(大阪第1)に7-22で敗れた。
 長崎北陽台は0-12の後半22分、SH川久保のパスを受けたCTB本山がポスト右にトライ(ゴール)。逆転圏内となる5点差まで詰めたが、その後に1トライ(ゴール)、1PGを許して力尽きた。

【3回戦、東海大大阪仰星―長崎北陽台】前半10分、モールを押し込んでインゴールに迫る長崎北陽台のFW陣=花園ラグビー場

 優勝候補の東海大大阪仰星(大阪第1)は確かに強かったが、長崎北陽台もまた強かった。終盤勝負に持ち込み、近畿王者をあと一歩まで追い詰めた。品川監督は「ディフェンスは本当に頑張った。全力を出し切って負けた。後悔するところはない」と穏やかな表情で選手たちをたたえた。
 多彩な攻撃パターンを持つ大型チームに対して、ひるまずにタックルを浴びせた。誰かが抜かれても、誰かが次の矢を突き刺す。主将のフランカー大町尚を筆頭に、ロック後田、CTB中濵、ナンバー8勝矢らが粘り強く体をぶつけた。田中翔、楳原、白澤の第1列を軸にしたスクラムも負けてはいなかった。
 耐え抜いて迎えた後半22分、ようやくその時が訪れた。敵陣10メートル付近のラックから、SH川久保のループパスを受けたCTB本山がディフェンスを切り裂いてトライ。5点差に迫った。攻守両面でやってきたことを出し尽くした。
 惜しまれるのは前半10分のラインアウトモール。約15メートルを押し込んで「(ボールを地面に)つけた」(大町尚)が、判定はノートライ。あれが決まっていたら、という無念のジャッジだった。
 結果は3回戦敗退。目標の4強以上へは届かなかったが、県内出身者だけでチーム編成した公立校は、第100回記念の花園に確かな爪痕を残した。来季のリーダーとなる2年生の本山が前を向いて言った。「3年生にたくさんのことを教えてもらった。この悔しさを忘れず、今年以上のチームになってここに戻ってくる」


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