2021年春に開業! 横浜 貨物線跡の上空に“新たな鉄道” 泉陽興業がつくる国内初 世界最新 都市型循環式ロープウェイ

横浜市みなとみらい21地区に建設中のロープウェイが、ことし2021年春に開業する。

その名も「YOKOHAMA AIR CABIN」(ヨコハマエアーキャビン)。

開業区間は、JR桜木町駅前と新港地区 運河パークを結ぶ630メートル。片道を5分で結ぶ。ゴンドラ(客車、搬器)は8人乗り、循環式のロープウェイに36台が連なり、最大定員は288人。

設計・開発・製造・運営は、大阪市浪速区元町に本社をおく泉陽興業。都市交通、輸送事業、遊園地・テーマパーク開発、遊園施設開発、街づくり・観光振興などを手がける企業として知られる。

泉陽興業は横浜市みなとみらい21地区で、1989年の「横浜博覧会Yes,89」のアミューズメントゾーンとして設置した“コスモワールド・子供共和国”のアトラクションも手がけ、博覧会閉幕後は、同じく博覧会のシンボルだった大観覧車・コスモクロック21の周囲に「よこはまコスモワールド」として再開し経営してきた実績がある。

全ゴンドラに最新式バッテリーによる冷房システムを搭載

今回、“久々に開業する鉄道”としても注目を集める横浜ロープウェイ「YOKOHAMA AIR CABIN」は、世界最新式の都市型循環式ロープウェイ。

全ゴンドラに最新式バッテリーによる冷房システムを搭載し、各種安全監視システム、LED照明などさまざまな分野で泉陽独自ノウハウと技術を結集。

さらに世界的な照明デザイナー石井幹子氏に照明計画の監修を依頼し、安全・快適で楽しいロープウェイを実現させたという。

眼下には、東海道線支線の貨物線跡もみえて、空からの新しい廃線跡めぐりもできる。

鉄道事業法による普通索道、関東には20社23基ある

箱形(閉鎖式)のゴンドラ(客車、搬器)を使用し、乗客、または乗客と貨物を運送するロープウェイを、日本では普通索道という。

普通索道を含む索道を扱う事業は、鉄道事業法のなかで運営する事業のひとつ。

2019年時点で関東には 20社 23基の普通索道が存在し、総営業キロは3万2740メートルにおよぶ。

関東で最も長い普通索道は、ブリーズベイオペレーション6号が運営するパルコール嬬恋スキー場ゴンドラ(群馬県吾妻郡嬬恋村、単線自動循環式)で3193メートル。

関東で最も短い普通索道は、日光交通が運営する明智平ロープウェイ(栃木県日光市細尾町、三線交走式)で300メートル。

同じく2019年時点で関東には36社の特殊索道が存在する。特殊索道は、外部に開放された、いす式の搬器を使用して乗客を運送する索道。一般にチェアリフトや滑走式リフト(Jバー・Tバーリフト)などと呼ばれる索道をいう。

関東の鉄道事業者のなかで富士急行が、普通索道(河口湖富士山パノラマロープウェイ、460メートル、三線交走式)と特殊索道(さがみ湖リゾート プレジャーフォレスト ペアパラレルリフト、神奈川県内唯一の特殊索道)の両方を保有している。

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