コロナ禍で生きがい感じにくく、ふさぎがちに… 悪化する心、救う方法は

綾瀬市が昨年11月に始めた「コロナに負けない!元気シニアのための体験教室」(市提供)

 コロナ禍が長期化する中、神奈川県内の身近な基礎自治体が新たな高齢者施策を模索している。綾瀬市は独自の影響調査で浮かび上がった、外出機会の減少による心の状態の悪化を防ぐ試みとして「新しい人とのつながり」をつくり出す体験教室を昨年11月にスタートさせた。同様の狙いから、大和市も傾聴ボランティアによる電話窓口を昨年12月に開設した。

 綾瀬市の調査は、コロナ禍における高齢者の状況を把握し、施策に反映するのが狙い。新型コロナウイルス感染拡大前の2019年12月に実施したアンケートの回答者に対し、同じ内容で昨年7月に改めて心身の状態を尋ねた。流行前後の調査結果を比較することでコロナ禍の影響を探った事例は、県内自治体では例がないという。

 19年12月の調査は、介護認定を受けていない比較的元気な65歳以上の市民970人を対象に実施。回答した673人に対して昨年7月にアンケート用紙を郵送し、約7割の471人から回答を得た。

 結果、現在の健康感を「とてもよい」「まあよい」とした肯定派が81%、「あまりよくない」「よくない」の否定派が19%。この数字はコロナ禍前とほぼ同じ割合だった。階段の上りや転倒の不安などを問う運動機能についても肯定派、否定派でそれぞれ変化はほぼなかった。

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