「ポスト原」レースに参戦? 巨人・二岡三軍監督に原監督がかける大きな期待

昨年は日本シリーズに〝招集〟された巨人・二岡三軍監督

将来の監督候補がまた1人――。巨人・原辰徳監督(62)による後進の指導者教育が着実に進行している。その代表格は阿部慎之助二軍監督(41)や元木大介ヘッドコーチ(49)ではあるが、二岡智宏三軍監督(44)も大きな可能性を秘めている。昨年は日本シリーズの大舞台に〝緊急招集〟され、指揮官は「ゆくゆくはジャイアンツのリーダーになっていかないといけない人」と断言。今後が注目されている。

目下、チームの最大の目標はリーグ3連覇と9年ぶりの日本一奪還。日本シリーズで2年連続の4連敗を喫したこともあり、原監督は「早く来季来い!」とリベンジに前のめりだが、2021年は指揮官とって3年契約の最終年で一応の節目を迎える。

昨季までの計14シーズンで9度のリーグ優勝を果たし、監督として積み上げた勝利数は球団歴代最多の1091勝。その原監督が3度目の指揮官就任に際し、優勝を目指すことを最優先としながら「自分の役割の中の一つだと思っています」と位置づけていたのが指導者の育成だった。常勝軍団を築くためには、豊富なコーチングスタッフも不可欠。監督経験が長く、勝つための手腕や知識を次世代に還元することも自らの〝使命〟と考えたからだ。

阿部二軍監督や昨季から参謀役に抜てきした元木ヘッドが、その筆頭ではあるが、実は二岡三軍監督もその一人だ。昨年8月1日に三軍総合コーチから三軍監督に配置転換となり、今季も引き続き若手育成に尽力する。そんな二岡三軍監督にかける原監督の期待は大きく、あえて日本シリーズに呼び寄せていた。期間は京セラドームで行われた〝直前合宿〟から第2戦までの5日間。ベンチ入りこそしなかったが、試合前の練習などに参加していた。

この異例とも言える帯同について原監督は「体験的な部分」としながらも「彼もゆくゆくはジャイアンツのリーダーになっていかないといけない人だから」とピシャリ。原監督が言う「リーダー」とのフレーズは、阿部二軍監督ら限られた人物にしか使われない〝レアケース〟で、いかに二岡三軍監督を評価しているかがうかがえる。

巨人のコーチ以外にも19年にはBC富山の監督も務め、別世界も経験してきた二岡三軍監督。巨人の監督は生え抜きが務めてきた歴史があるが、いつの日か伝統球団を率いることがあるのか――。

© 株式会社東京スポーツ新聞社