身近なお店がコンペの場に 高校生が美容室をデザイン

©株式会社長崎新聞社

デザインが採用された藤尾さん(後列左から2番目)らコンペに挑戦した生徒と代表の櫛濱さん(前列左)=長崎市、アイココ

 県立長崎工業高インテリア科の3年生が内装デザインを手掛けた美容室が昨年12月、長崎市滑石3丁目にオープンした。従来参加していた大学や企業のコンペが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で減る中、身近な街の店が実践の場を提供し、形になった。
 同科のコンペティション班は例年、課題研究の授業で、大学、企業が実施する建築やデザインなどのコンペに応募している。ただ、新型コロナ禍でコンペが激減。それを知った同校育友会の野口富士男会長が、新規オープンする妹の美容室「aicoco(アイココ)」の内装をコンペの課題にすることを提案した。
 同班の6人が昨年6月から取り組み、現地や別の美容室を視察。座席やシャンプー台の位置、装飾、壁や床の色など、全体の構想を練った。アイココ代表の櫛濱愛さん(46)らと、時にはリモートを活用して話し合いを重ね、同9月に6人がそれぞれ設計図を提出。櫛濱さん、施工業者、野口育友会長が審査し、藤尾琉星さん(18)の作品を採用した。
 店内は緑を基調とし、黒板と同じ素材を使った壁には、メニューなど文字や絵が自由に書ける。座席とシャンプー台の間に木製の仕切りを設置。道路に面した窓にも腰の高さの壁をつくるなど、客が人の目線を気にしなくていいような細かな気配りが評価された。
 藤尾さんは「授業で習った色の配置や人の動線を生かせた。図面が形になってやりがいがあった」と充実の表情。指導する松尾陽平教諭(34)は「普段のコンペは紙を提出して終わり。実際に店が出来上がり、学んできたことをより理解できたのでは」と効果を語る。
 櫛濱さんは「若い人に任せたら楽しいものができるのではと思ってお願いしたら、やりたいことを散りばめてくれた。かわいさに誘われて来店してくれたお客さんもいて、うれしい」と話した。

藤尾さんがデザインしたアイココの内装