【食べて、飲んで、旅をして5】猫、ペンギン、オットセイ・・・動物と触れ合う熱海旅・後編

海外旅行と飲酒が趣味で、ナイトスポットから子連れ旅まで、さまざまな旅を経験してきた作家・大泉りかが、旅の思い出を気ままに綴ります。今回は、静岡県熱海への旅・後編です。

10万いいねの「バズり猫」に会えるかもしれないバー

海あり山あり温泉ありと、魅力あふれる熱海の街。しかし都内からわずか1時間ほどで訪れることのできる有名観光地ゆえに「もう何度も来たことがあるし、めぼしい観光スポットはすべて回ってしまった」という方も少なくないのではないかと思います。そこで庭でバーベキューを楽しむことの出来るゲストハウス「atami onsen guesthouse nagomi(和み)」をご紹介した前編に引き続いて後編は、熱海市内にある個性的な看板猫ちゃんがいるバーと、熱海からちょっとだけ足を延ばしての、動物とのふれあいアクティビティをリポートしたいと思います。

まずは、熱海駅から徒歩25分、atami onsen guesthouse nagomiからは徒歩で10分ほどの場所にあるバー「Muddy Cat(マディキャット)」にお邪魔しました。

バー「Muddy Cat」の特徴は、なんといっても3匹の看板猫。口まわりの黒い点がエクボのように見えるバイカラーのてんてん(右)、手足の先が白いソックスを履いているように見えるタビ子(左)、そしてなんとも個性的なミチル(真ん中)の三匹衆が歓迎してくれる(かもしれない)のです。

河鍋暁斎っぽいの撮れた#猫 #Cat #白黒猫 pic.twitter.com/pU6igdh6um

— 熱海 Muddy Cat (@muddycat_atami) January 24, 2019

一目観たら、到底忘れられないルックスの3匹。特にミチルちゃんは、ツイッターで10万いいねを獲得したこともある有名なバズり猫ちゃん。このルックスはもとよりポージングの妙は、天賦の才能としか言いようがありません。

もちろん、お店の名物は猫ちゃんだけではありません。冷え冷えの生ビール(黒ラベル 500円・税込)と絶品のおつまみも。特に地産のアジの干物(大500円/小300円・各税込)は、おいしいと地元でも評判の魚屋さんから購入しているそう。脂が乗っていてお酒のアテにぴったり。フードもドリンクもリーズナブルです。

店内にはいたるところに猫グッズがあって、猫ちゃんへの並々ならぬ偏愛が伝わってきます。こちらのオーナーさんが飼われている3匹は、元保護猫ということで、店内には保護猫活動を支援するための募金箱も。ただし、お客さんへの接客については、あくまでも猫任せ、強制はしていないということなので、街の猫カフェのように、必ず猫ちゃんたちに会えるわけではありませんが、猫好きな方は、「もしも会えたらラッキー」という心づもりで訪れてみてはいかがでしょうか。猫好きで気さくなママと猫トークを楽しむことができますよ。

熱海の「猫に会えるかもしれないバー」「Muddy Cat」の定休日や場所などはこちらでご確認をどうぞ。

Muddy Cat

住所:静岡県熱海市和田町13-8

https://twitter.com/muddycat_atami

沼津・内浦漁港そばの食堂で「日本一の活きアジ」を堪能

「Muddy Cat」でおいしいお酒を飲みつつ、熱海の夜は更けて翌日。早起きして向かった先は伊豆長岡。JR熱海駅からJR東海道線に乗って三島駅まで行き、そこで伊豆箱根駿豆線に乗り換えて、待ち時間も含めて1時間もかからずに到着です。伊豆長岡駅からはタクシーを利用して(2,000円程度)、沼津の内浦漁港に。

まずは港のすぐそばにある「内浦漁協直営 いけすや」で腹ごしらえです。この「いけすや」の名物は、獲れたてのアジを使ったアジ料理。なんでも駿河湾の最奥部に位置した「内浦漁協」は、養殖のアジに関しては日本一の生産出荷量を誇るそう。アジの養殖地として北限にあるため、身が引き締まったアジが特徴だといいます。

というわけで、「活まだい二種丼」(1,200円・税込)と、「活あじふらいセット」(400円・税込)。淡泊ながらしっかりと旨味のある活まだいのお刺身と、甘めの醤油タレ漬けの2種類が、鯛めしの上に贅沢に盛られています。肉厚で食べ応えは十分、鯛めしも出汁がしっかり染み込んでいて美味です。

肉厚なアジフライはふかふかのサクサクで、生臭さはゼロ。これまで食べたアジフライの中で、ダントツに一位のおいしさでした。さすが日本一の活きアジというだけありました。

注:新型コロナウイルスの影響により、通常と違ったメニューの提供となっている状況のため、お出掛けの際はHPなどで事前にご確認を

内浦漁協直営 いけすや

住所:静岡県沼津市内浦小海30-103

https://ikesuya.com/

「伊豆三津シーパラダイス」で水の生き物に餌やり三昧

お腹がいっぱいになったところで、次なる目的地「伊豆・三津シーパラダイス」へと向かいます。海沿いを歩いて15分ほど。食後の腹ごなしにちょうどいい距離な上に、景色がいいので歩いているだけでも楽しめます。

「伊豆・三津シーパラダイス」(入場料おとな2,200円、4才~小学生1,100円)、通称「みとシー」の館内は屋内の水槽エリアと、ショーなどが楽しめる野外展示とに分かれています。屋内では、伊豆の自然の生き物を集めた水槽をはじめ、アジやイワシの回遊やクラゲなど水中の生き物を観察することができます。また、タカアシガニなどの深海生物にタッチできるコーナーも。

しかし、みとシーの見どころは、なんといっても野外ゾーン。海を利用した自然飼育場で、アシカやアザラシ、オットセイといった海洋動物たちを、とても真近で観ることができるのです。

ペンギンは手を伸ばせばタッチできるくらいの距離に。整列している姿がかわいらしいです。ちなみにこの下は水槽になっているので、水中で泳いでいるペンギンをガラス越しのすぐ目の前で観ることもできます。

ショーの出番を待機中のイルカもわずか1メートルの距離に。これまた近い!

ショーステージとの距離も近く、最前列のシートに座ると大迫力が楽しめます。海の動物って近くで見ると、予想以上に大きい!飼育員との息もぴったりで、顔が自然とほころびました。

さらに驚いたのはこの餌やりコーナー。キタオットセイやカリフォルニアアシカ、ゴマフアザラシといった動物たちに餌やりができるのです。しかも1カップ100円。良心的すぎませんか?

餌の魚を求めて、ぐっと近寄ってきてくれるのがまたうれしい。「もっとちょうだい」と言わんばかりに、顔を突き出してきます。かわいい~。ついつい合計3カップも購入してしまいました。

ブリとマダイに餌やりができるコーナーもあります。ここの魚たちは大きくなると、養殖魚としてお店などに出荷されるそう。そういえば、お昼に食べたのもマダイだった気がしますが、それはさておき、これまた100円でカプセルに入ったドライフードを購入しました。

餌を投げ入れると、わらわらと集まってきて海中がごった煮状態のこれまた大迫力。コイならばともかく、ブリとマダイの餌やり体験はなかなかレア。餌やりがお好きな方は、きっと大満足できると思います。

帰りはJR三島駅まで出て新幹線に乗れば、都内まで1時間足らずでリターンできます。熱海旅行で、昼間はどこで何をしようかな・・・と悩んだ時の選択肢のひとつにいかがでしょうか?

伊豆・三津シーパラダイス

住所:静岡県沼津市内浦長浜3-1

営業時間:平日10:00~16:00(最終入場15:00)、土日祝9:00~17:00(最終入場16:00)

http://www.izuhakone.co.jp/seapara/

[All photos by Rika Oizumi]

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