糖尿病治療や症状悪化が膵臓がん発見のヒントに

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 糖尿病の診断や症状悪化が、膵臓(すいぞう)がん発見の手掛かりになることが、東北大の研究グループの分析で分かった。膵臓がんの発見につながることが多い黄疸(おうだん)や腹痛などの症状が出た後の診断より、生存期間が2倍以上長く、手術可能な症例が多かった。
 糖尿病は膵臓がんの危険因子とされ、糖尿病患者の膵臓がんリスクは一般患者の約2倍とされる。大学院医学系研究科の正宗淳教授(消化器内科)らは、東北大病院で膵臓がんと診断された489例の診断のきっかけと、治療後の経過を調べた。
 黄疸などの症状があった318例のうち、比較的早期の膵臓がんは8%で、手術可能な例は27%だった。一方、無症状で糖尿病の診断や症状悪化で見つかった53例は約40%が比較的早期で、手術可能な例は約60%。無症状で検診などで偶然見つかった118例の35%が比較的早期で、68%が手術可能だった。
 症状があった患者の平均生存期間が約11カ月だったのに対し、糖尿病患者は26カ月。偶然に見つかった患者の29カ月と同程度だった。
 新規の糖尿病で膵臓がんを合併した症例には(1)70代以上(2)診断前に肥満がない(3)体重減少-などの特徴があるという。
 正宗教授は「どの患者に膵臓がんの精密検査を行うかを詳細に検討し、治療成績の向上につなげたい」と話した。