パンデミックはポップス界の多くの作品にも影響を与えました。チャーリーXCXはロックダウンされたLAからリモート制作、さらに注目されたのはテイラー・スウィフトの『フォークロア』その内省的な私小説アルバムはグラミー候補にもなりました。
グリ-ン・デイのフロントマンのビリーは自分の人生を見つめなおすことと、ライヴを観られないファンのために彼がこれまでに影響を受けたロック・ナンバーを自宅録音でカバーし、「No Fun Mondays」と銘打って毎週月曜日にオークランドの自宅から配信。この作品はその中の14曲を“ビリー自身の人生のサウンドトラック”としてポップ・パンクのカバー・アルバムにまとめたものです。
ジョン・レノン、トミー・ジェイムス&ザ・ションデルズ、バングルス、ジョニー・サンダースらのカバー曲も楽しいのですが、トム・ハンクスが96年に制作した映画『すべてをあなたに』に出てくるワンダーズのカバー曲などは、こんな機会が無かったら絶対に聴けなかったと思います。
(ワーナーミュージック・2300円+税)