長崎県内最多55人感染 百貨店、家庭内クラスター 病床確保「フェーズ4」に

新型コロナウイルス感染者の入院状況(4日午後7時現在)

 長崎市と佐世保市、県は5日、県内で1日当たり過去最多となる55人の新型コロナウイルス感染を確認したと発表した。長崎市の浜屋百貨店の地階食品売り場にある総菜店「RF1(アール・エフ・ワン)」と、東彼波佐見町の家庭内でそれぞれクラスター(感染者集団)が発生した。県内の感染確認は計812人となった。
 県は同日、長崎、佐世保県北、県央、県南の4医療圏を含む「県本土」の感染段階を5段階で最高の「フェーズ4」に引き上げた。4医療圏の専用病床を現状から76床増やし、計画上最多となる309床の確保を対象医療機関に要請した。
 長崎市は特に高齢者の感染を防ぐため、既に休館中の「ふれあいセンター」などに加え、新たに公民館など34施設の休館を決めた。市主催行事も原則中止・延期とする。いずれも1月末まで。記者会見した田上富久市長は「医療崩壊を防ぐことが大事だ」と述べ、市民には人との接触機会を減らすよう呼び掛けた。
 55人の内訳は、長崎市23人、佐世保市10人、壱岐市9人、東彼波佐見町6人、西彼長与町2人、大村、西海、松浦、南島原の4市と北松佐々町が各1人。
 長崎市のうち既に2人が感染していた浜屋百貨店のRF1で新たに6人の感染が判明した。いずれも接客や調理を担当しており、同店の他の勤務者も検査中。
 同市では、30代男性県職員も感染。クラスターが発生した施設では、長崎北徳洲会病院で入院患者4人が感染し計11人に、特別養護老人ホーム・ショートステイ「めざめ」で職員1人が感染し計11人になった。
 波佐見町では同居家族6人が感染。家庭内クラスターは県内初という。佐世保市の北松中央病院はスタッフ1人が感染し、8日まで新規入院を中止する。クラスターが発生した西海市の長崎セント・ノーヴァ病院では関係者1人が感染し計35人になった。壱岐市の市職員2人を含む9人は全員、感染者と接触があった。
 一方、壱岐市は5日夕、県発表分と別に新たに7人が感染したと公表した。


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